共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年4月 - 2017年3月

アルコール依存症者の回復過程と支援ネットワーク

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究(B)  若手研究(B)

課題番号
16K17274
体系的課題番号
JP16K17274
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
3,900,000円
(直接経費)
3,000,000円
(間接経費)
900,000円
資金種別
競争的資金

本研究は、アルコール依存症者の「回復」過程を自己意識の視点から取り上げ、その「回復」像を明らかとした上で、現存する支援ネットワークを手掛かりに、当事者が支援を受けやすく、支援者も支援しやすい環境を作っていくために必要なことは何かを検討するものである。
今年度については、国のアルコール健康障害対策基本計画の策定などを受け、既存のネットワークの現状及び、重要な社会資源である自助グループの機能について検討した。その結果、アルコール依存症の自助グループは当事者の回復に重要な役割を果たしている一方で、運営の会員負担などには課題が残り、支援が必要であること、従来とは異なる自助グループネットワークの構築が必要であることが示唆された。さらに、今後の支援ネットワーク構築にあたり欠かせない自助グループの活性化に、アルコール健康障害対策基本法が寄与できる可能性が高く、今後各地方自治体が作成するアルコール健康障害対策基本計画の動向には注意が必要である。
さらに、支援ネットワークの現状を知るための予備調査の一環として、精神疾患に理解がある司法関係者への聞き取りを行ったが、実際にアルコール依存症への理解(例:難治性疾患であることなど)は浸透しておらず、知識を持っていない司法関係者が多いことが示唆された。アルコール依存症は家庭内暴力をはじめとした暴力事件など、司法との接点は多いため、アルコール関連問題への介入が困難である社会基盤の問題が改めて浮き彫りとなった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-16K17274
ID情報
  • 課題番号 : 16K17274
  • 体系的課題番号 : JP16K17274

この研究課題の成果一覧

書籍等出版物

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  • 若林 真衣子 (担当:共著, 範囲:第2章第3節 アルコール健康障害対策基本法と現代社会)
    2016年8月
  • 若林 真衣子 (担当:共著, 範囲:第4章第8節 セルフヘルプグループ)
    2016年7月