共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

血液透析シャント狭窄を防ぐ埋込型デバイスの研究開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
21K12660
体系的課題番号
JP21K12660
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

本年度の研究目標は、慢性期動物実験(雌ビーグル犬1匹)を以下の①②③④の手順で実施し、デバイスの基礎的な安全性及び有効性の評価を行うことで、デバイスのコンセプト検証を行うことである。
①デバイス製作(担当:梶山):現状のデバイスをもとにして透析専門医(弘前大学病院泌尿器科)の協力を得ながら、装着時ユーザビリティを考慮した設計を行った。材料は熱硬化性ポリウレタンエラストマーを使用し、(株)KobeWaposにて製造を行った。
②シャント造設手術:東北大学医学部附属動物実験施設にて、同大学病院心臓血管外科とともに、ビーグル犬の左大腿動静脈には従来の鋭角吻合形状シャントを、右大腿動静脈にはデバイスを装着した鈍角吻合形状シャントを作製した。この時、デバイス留置による血管および周囲組織の破損は確認されなかったため、留置時の安全性には問題ないと分かった。
③造影CT撮像によるWall shear stress値算出:シャント作製直後および作製2週間後において、左右シャント部分の造影CT撮像を行う(東北大学医学部保健学科協力)ことで、シャントの3次元データを取得し、流体シミュレーションソフトAnsysを用いてシャント吻合部におけるwall shear stres値を算出した。その結果、従来シャントのみにおいてシャント吻合部で異常なwall shear stressが発生しており、シャント狭窄が最も多く発生する箇所と一致した。
④シャント組織の摘出・病理観察:シャント造設後2週間後安楽死処置を行った上で、左右のシャント組織の抽出を行い、血管断面の病理観察を行った。その結果、③にてwall shear stressが発生した場所において狭窄(内膜肥厚)が始まっていたため、シャント内で発生するwall shear stressは狭窄の要因であることが示唆された。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K12660
ID情報
  • 課題番号 : 21K12660
  • 体系的課題番号 : JP21K12660