共同研究・競争的資金等の研究課題

2008年 - 2009年

アルツハイマー病発症機構におけるHDL産生・供給機構の解明と治療への応用

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特定領域研究  特定領域研究

課題番号
20023040
体系的課題番号
JP20023040
配分額
(総額)
7,400,000円
(直接経費)
7,400,000円
(間接経費)
0円
資金種別
競争的資金

(背景および目標)アルツハイマー病(AD)はアミロイドss蛋白(Ass)の産生、凝集・沈着の増加を原因とする神経変性疾患である。従って、その根本的治療薬開発にはAss代謝系を標的にした介入が有効である。研究代表者は、ApoEによる脳内HDL産生にApoE3>ApoE4の違いがあることを見出し、(i)危険因子ApoE4の機能増強を標的にHDL療法の概念を創出した(独創性)。脳内でApoEによって産生されるHDLは、コレステロール供給によってシナプス可塑性維持や神経修復に重要な役割を果たすとともに、HDL-ApoEはAss分解・除去に関与すること、が示されている。ABCA1蛋白質の発現・機能調節によってHDL産生を増加させる薬剤探索を行い、Assを脳内から除去・分解させるAD治療薬の開発を目指した。
(結果)薬剤ライブラリーから187個の化合物と天然物ライブラリーから2種類の化合物を同定し、それらの薬理作用を明らかにした。また類縁構造の薬物サーチや構造機能解析等を行っており、今後リード化合物の同定を目指す。さらに、脳内脂質代謝に焦点を当てた研究から、新規Ass分解・除去酵素を発見した。この酵素は、Assと結合し、その取り込みを促進させることで、脳内Assの除去・分解に貢献していると考えられた。これは創薬の新たな標的になりうると考えられた。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/p/20023040
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20023040
ID情報
  • 課題番号 : 20023040
  • 体系的課題番号 : JP20023040