MISC

2017年12月

【大人の発達障害】 認知症とlate-onset ADHDの関連性について

精神科治療学
  • 佐々木 博之
  • ,
  • 城野 匡
  • ,
  • 橋本 衛
  • ,
  • 池田 学

32
12
開始ページ
1611
終了ページ
1617
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(株)星和書店

我々は2015年に、認知症と鑑別に苦慮したattention deficit/hyperactivity disorder(以下ADHD)の1例を報告した。そこで今回、同様の患者がどのくらいの割合で存在するのかを調べるため、認知症専門外来の初診連続例457例を対象として検証を行った。その結果、6例がADHDと診断された。6例はいずれも65歳未満の初老期であり、全例が初診時にearly-onset Alzheimer's disease(以下EOAD)を疑われていた。6例を詳細に検証した結果、ADHDが認知症のように見えてしまう原因の1つが、年齢を経てから初めて顕在化するADHD、いわゆるlate-onset ADHDの存在にあることが明らかになった。Late-onset ADHDについて、文献をレビューするとともに、初老期から老年期に顕在化してくる要因について考察した。認知症とADHDでは治療法や予後が違うため、それらを的確に鑑別する意義は大きい。今後、認知症の診断にあたりADHDを鑑別診断の候補として検討する必要があると思われる。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0912-1862
  • 医中誌Web ID : RC21160010

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