2017年4月 - 2020年3月
離島の教育環境改善に資する社会関係資本形成の規定要因
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本研究では、離島という過疎化、少子高齢化、貧困などの課題が顕著な地域において、人々の信頼や社会的ネットワークによって構成される社会関係資本が、どのように機能し、子供の教育環境に影響を与えているかを明らかにするために、鹿児島県奄美大島における(1)離島特有の歴史的、地理的特異性を踏まえた社会関係資本の実態と課題の把握、(2)社会関係資本の子供の教育環境への影響、(3)成功事例を踏まえた地域に求められる社会関係資本形成のあり方の検討・考察、により、わが国の離島における子供の教育環境改善に資する社会関係資本の規定要因を検証し、今後、同様の課題を抱える地域に通底する教育施策への知見を提供することを目的としている。
2018年度は社会関係資本形成の取り組みについて奄美市と龍郷町でインタビュー調査を行なった。インタビューは奄美市名瀬の自治会による「夏休み子ども塾&子ども食堂」及び「寺子屋」活動、奄美市の名瀬ライオンズクラブによる「あまみ寺子屋」、奄美市PTA連絡協議会による「あまみ子ども読書・新聞応援プロジェクト」、奄美市による学習支援事業及び中学生対象の進路ガイダンス、龍郷町による公営無料塾及び「子ども博物学士講座」、龍郷町公民館の三味線教室の各担当者に実施した。
その結果、奄美大島での地域のつながりを保持、再構築しながら子ども達を育てていこうとする様々な取り組みが確認された。地域の伝統行事・文化の継承や地域のつながりという社会資本は、子ども達の島への愛着を育み、再生産されている。その一方、子どもや保護者が学力や将来のキャリアプランの必要性に関心が低い状況に対する懸念が複数のインタビューで指摘された。将来島で安定した仕事に就けることも視野に入れ、島で必要とされる資格やスキルを身につけられるための施策が模索されながら実施されており、持続可能な社会資本形成に向けた取り組みが確認された。
2018年度は社会関係資本形成の取り組みについて奄美市と龍郷町でインタビュー調査を行なった。インタビューは奄美市名瀬の自治会による「夏休み子ども塾&子ども食堂」及び「寺子屋」活動、奄美市の名瀬ライオンズクラブによる「あまみ寺子屋」、奄美市PTA連絡協議会による「あまみ子ども読書・新聞応援プロジェクト」、奄美市による学習支援事業及び中学生対象の進路ガイダンス、龍郷町による公営無料塾及び「子ども博物学士講座」、龍郷町公民館の三味線教室の各担当者に実施した。
その結果、奄美大島での地域のつながりを保持、再構築しながら子ども達を育てていこうとする様々な取り組みが確認された。地域の伝統行事・文化の継承や地域のつながりという社会資本は、子ども達の島への愛着を育み、再生産されている。その一方、子どもや保護者が学力や将来のキャリアプランの必要性に関心が低い状況に対する懸念が複数のインタビューで指摘された。将来島で安定した仕事に就けることも視野に入れ、島で必要とされる資格やスキルを身につけられるための施策が模索されながら実施されており、持続可能な社会資本形成に向けた取り組みが確認された。
- ID情報
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- 課題番号 : 17K04726
- 体系的課題番号 : JP17K04726
この研究課題の成果一覧
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MISC
1-
社会教育 2020年2月号(884) 26-29 2020年2月 責任著者