共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

緑膿菌感染症の自然免疫における抗体価の経時的解析と最適な獲得免疫の判定基準の検討

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
18K16521
体系的課題番号
JP18K16521
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

多剤耐性緑膿菌(MDRP)といった薬剤耐性グラム陰性桿菌による医療関連感染症が広がり、抗生剤に頼らない治療が社会的に求められている。我々はこれまでに、緑膿菌感染症に対する受動免疫効果や能動免疫療法について取り組んできた。本研究では、緑膿菌に感染した時の生体の防御免疫機構について着目し、自然免疫における抗緑膿菌抗体価の経時的解析を行い、抗体価や生存に影響を与える因子を検討する。さらに多剤耐性緑膿菌株や免疫抑制状態の動物モデルを用いて獲得免疫のメカニズムの解明にむけた基礎研究を行ない、今後の臨床応用へと発展させたい。
1.遺伝子組み換え緑膿菌V抗原・Ⅲ型分泌毒素タンパクの作成
緑膿菌V抗原(PcrV)・Ⅲ型分泌毒素遺伝子(ExoU)をPCR法にて増幅し、大腸菌遺伝子組み換え発現ベクターに組み込み、大腸菌M15株に導入した。V抗原・Ⅲ型分泌毒素タンパク保有大腸菌M15株をLB培地で培養し、発現誘導を行った。遠心分離後に得られた菌体を破砕し、吸着させ、緑膿菌V抗原・Ⅲ型分泌毒素タンパクを抽出した。この抽出液を、その後エンドトキシン吸着カラムを使用し、得られたV抗原・Ⅲ型分泌毒素タンパクを電気泳動(SDS-PAGE)にて分子量を確認した。
2.緑膿菌性肺炎モデルによるPcrV・ExoU抗体価の経時的解析
マウスに対して吸入麻酔薬を用いて全身麻酔下で亜致死量の緑膿菌PA103株を気管内に投与した。緑膿菌投与後10日ごとに尾静脈より10μl採血を施行し、間接的ELISA法にて血清抗PcrV・ExoU抗体価を測定した。プレートをコーティングする抗原には遺伝子組換えPcrV(rePcrV)ExoU(reExoU)、一次抗体には採取した血液の希釈液、二次抗体にはAnti-Mouse IgG・IgMを用いて、プレートリーダにて450nmの吸光度を測定した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K16521
ID情報
  • 課題番号 : 18K16521
  • 体系的課題番号 : JP18K16521

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