2019年4月 - 2023年3月
嗜癖的関係性と家族の「病理」をめぐる臨床哲学的研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究
(1)暴力・虐待と家族の研究:昨年度に引き続き、暴力関係の被害者が加害者のもとを離れない理由について、通説的な語りとは異なる語り(加害者との愛着関係を主張したり、暴力そのものに愛着をもっていたりする語り)に注目した。このような語りの一部に対しては、国外において包摂しようという動きがあるが、それでもなお、「命」や「病」の観点から当事者たちは「介入」が必要な人びとだと見なされる。この点から、当事者における介入されない権利、治療されない自由についての考察を行っている。この研究は次年度に持ち越し、単著として刊行することを予定されている。
(2)世代間連鎖と家族の研究:昨年度に引き続き、世代間連鎖を恐れて出産しないという選択の背景にある、虐待などの問題のある家庭に対してなされる(一見プラスの効果しかないように思われる)各種政策の優生主義的側面を浮かび上がらせた。この原稿は、来年度、私が編著者を努める論文集に掲載される。
(3)毒親研究:親を非難するニュアンスをもつ(あるいは、親自身が非難されていると認識させられる)「毒親」概念は、専門家らからも問題あるものだと指摘されている。しかし、「毒親」概念は一部の当事者にとってかけがえのないものであることを明らかにした。この成果は『臨床哲学ニューズレター』vol.4(大阪大学)と上記論文集に掲載される。
(4)SM研究:SM研究をテーマとする共著書刊行に向けて、SM実践者のインタビュー調査や日本のSM文化とゆかりのある場所、SMバーなどの調査を進めている。
(5)ケアの倫理:ケアの倫理と臨床哲学の関係について考察し、第3回東アジア臨床哲学会議にて発表した。また、ケアの倫理が精神障害を見落としていることを検討したものを、韓国慶北大学の国際学会にて発表した。
(2)世代間連鎖と家族の研究:昨年度に引き続き、世代間連鎖を恐れて出産しないという選択の背景にある、虐待などの問題のある家庭に対してなされる(一見プラスの効果しかないように思われる)各種政策の優生主義的側面を浮かび上がらせた。この原稿は、来年度、私が編著者を努める論文集に掲載される。
(3)毒親研究:親を非難するニュアンスをもつ(あるいは、親自身が非難されていると認識させられる)「毒親」概念は、専門家らからも問題あるものだと指摘されている。しかし、「毒親」概念は一部の当事者にとってかけがえのないものであることを明らかにした。この成果は『臨床哲学ニューズレター』vol.4(大阪大学)と上記論文集に掲載される。
(4)SM研究:SM研究をテーマとする共著書刊行に向けて、SM実践者のインタビュー調査や日本のSM文化とゆかりのある場所、SMバーなどの調査を進めている。
(5)ケアの倫理:ケアの倫理と臨床哲学の関係について考察し、第3回東アジア臨床哲学会議にて発表した。また、ケアの倫理が精神障害を見落としていることを検討したものを、韓国慶北大学の国際学会にて発表した。
- ID情報
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- 課題番号 : 19K12922
- 体系的課題番号 : JP19K12922
この研究課題の成果一覧
絞り込み
論文
6-
狂気な倫理:「愚か」で「不可解」で「無価値」とされる生の肯定 2022年8月30日
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現代思想(特集=「加害者」を考える) 50(9) 144-153 2022年6月27日 招待有り
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臨床哲学ニューズレター 4 126-180 2022年3月1日
-
臨床哲学ニューズレター 3 118-147 2021年3月31日
-
立命館文學(谷徹教授退職記念論集) 665 239-252 2020年2月27日 招待有り
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現代思想(特集=倫理学の論点23) 47(12) 183-189 2019年8月27日 招待有り
MISC
2-
倫理学論究 6(1) 19-32 2020年3月 招待有り
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現象学年報 35 23-25 2019年11月23日 招待有り
書籍等出版物
3-
筑摩書房 2023年11月17日 (ISBN: 4480017879)
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晃洋書房 2023年9月10日 (ISBN: 4771037787)
-
晃洋書房 2022年8月30日 (ISBN: 4771036551)
講演・口頭発表等
9-
ケアの倫理と人文学 2023年1月28日 名古屋大学大学院人文学研究科附属町域文化社会センター/名古屋大学高等教育院 招待有り
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第3回東アジア臨床哲学会議 2021年11月27日 中山大學 招待有り
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Emotions, Actions, Meditations and Visions in Korean Philosophy 2021年11月12日 Kyungpook National University BK FOUR21 Project Team to Educate Philosophical Specialists for Conflict Resolution, Kyungpook National University Innovation Support Project (Department of Philosophy), International Society of Korean Philosophy 招待有り
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第2回臨床哲学フォーラム(規範の外の生と知恵)「BDSM をとりまく生の営み:ケアとは何か?」 2020年11月14日
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2019年度 SOGI研究会 公開研究会(立命館大学先端総合学術研究科院生プロジェクト) 2020年2月26日 招待有り
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The Korean Philosophical Society's Fall Conference 2019: Korean Society - What is the Problem now? 2019年11月8日 The Korean Philosophical Society 招待有り
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ビーユーフォーラムVI:共依存関係における意思決定支援の在り方 2019年10月26日 NPO法人岡山意思決定支援センタービーユー 招待有り
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第2回東アジア臨床哲学会議:現象学・人文臨床学・倫理学 2019年10月19日 Research Center for Chinese Cultural Subjectivity in Taiwan 招待有り
-
パチンコ・パチスロに依存する人の多様な背景と支援について 2019年6月30日 NPO法人ワンデーポート 招待有り
学術貢献活動
2メディア報道
1-
毎日新聞 毎日新聞デジタル(ウェブ用ロング版) 2024年4月14日 新聞・雑誌