共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年8月 - 2023年3月

舞踏誕生のバックグラウンド再考

日本学術振興会  科学研究費助成事業 研究活動スタート支援  研究活動スタート支援

課題番号
21K19959
体系的課題番号
JP21K19959
配分額
(総額)
2,340,000円
(直接経費)
1,800,000円
(間接経費)
540,000円

本年度は、これまでの研究(「戦後の舞踊作品における「黒人の表象」を巡って」『舞踊學』第44号、2021年、pp. 20-31など)をベースに、黒人文化の舞踊への影響を調査した。主に早稲田大学演劇博物館が所蔵する戦前の舞踊や演劇に関する雑誌を調査し、新たに戦前の黒人の表象を見出した。また、戦後の雑誌『黒人研究』等を調査しながら、日本人の黒人への意識の変遷を追った。
戦後のアメリカ文化センターの開催したモダンダンスの講習会については未だ具体的な講習内容は調査できていないが、GHQ/SCAPの記録を国会図書館で閲覧し、CIE図書館で行われた文化行事について調査を行った。
また、舞踏が登場した前後の舞踊界を調査する絶好の機会として、早稲田大学演劇博物館演劇映像学連携研究拠点の2022年度公募研究課題「江口博旧蔵資料にみる戦時下から戦後の舞踊」に共同研究チームとして採択された。ここでは、戦前から戦後にかけて活動した舞踊批評家である江口博の旧蔵資料(舞踊関係舞台写真・新聞記事スクラップ他280点)を調査し、昭和期を通じた日本の舞踊界に関する研究成果を発表する予定である。本研究課題である舞踏誕生のバックグラウンドを再考する上で重要な研究になると想定される。
このほか、舞踏とテクストの関わりについて、大野一雄舞踏研究所および土方巽アーカイヴでの資料調査(主に蔵書と創作ノート/舞踏譜の閲覧と分析)を行った。これらの調査から、美術雑誌『みづゑ』への書き込みや、アンリ・ミショーやガストン・バシュラールに関連する蔵書が発見された。これらの一部についてはスキャンを行い、大野一雄による書き込みが読めるようデータ化した。『みづゑ』やミショーへの関心は、大野、土方とも持っており、これらの共通項を手がかりとしながら、両者のアプローチの差異について今後分析していく予定である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K19959
ID情報
  • 課題番号 : 21K19959
  • 体系的課題番号 : JP21K19959

この研究課題の成果一覧

論文

  1

MISC

  1

講演・口頭発表等

  1