MISC

2001年12月

ラット心筋におけるCoxsackievirus Adenovirus receptorの発現について

心筋の構造と代謝
  • 伊藤 正洋
  • 小玉 誠
  • 本田 岳夫
  • 堀田 優子
  • 吉田 剛
  • 林 学
  • 太刀川 仁
  • 加藤 公則
  • 塙 晴雄
  • 渡辺 賢一
  • 桑野 良三
  • 相澤 義房
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23
開始ページ
45
終了ページ
49
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(株)六法出版社

コクサッキーウイルスBとアデノウイルスは細胞内への侵入経路の一つとして細胞表面レセプターであるCoxsackievirus Adenovirus receptor(CAR)を使用している.今回,正常新生仔・成体ラット心筋を用いてCARを誘導する因子,CARの局在について検討した.正常新生仔ラットでのCARの発現は心筋細胞のほぼ全周に認められ,正常成体ラット心筋では著明に減少していた.生後8週の正常成体ラットにconcanavalin A(Con A)を第1日目に静注,第5日目に屠殺したA群と第1日目,第5日目にCon Aを静注,第8日目に屠殺したB群で比較した.その結果,対照群ではCARは発現せず,A群ではわずかにCARの発現を認めたが局在は明確にできず,B群ではCARの発現は明らかに増加し,局在は介在板とほぼ一致していた.以上よりCARの発現は心筋の発達に伴い変化し,生体では炎症性物質で再誘発され,発現部位は介在板の部分にほぼ一致した.CARは心筋細胞同士のシグナル伝達,心筋細胞障害時の修復過程への関与が示唆された

ID情報
  • 医中誌Web ID : 2003041945

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