論文

2014年6月

Basic Life Support(BLS)講習会インストラクターにおける一般性自己効力感の検討

日本シミュレーション医療教育学会雑誌
  • 福島 仁美
  • ,
  • 伊藤 正洋
  • ,
  • 安達 豊美
  • ,
  • 三間 渉
  • ,
  • 齊藤 寛文
  • ,
  • 柴田 修

2
開始ページ
14
終了ページ
17
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本シミュレーション医療教育学会

自己効力感とは、行動特性を示す概念のひとつであり、ある状況において適切な行動を成し遂げられるという予期および確信、と定義される。自己効力感には課題や場面を限定して影響を及ぼす自己効力感(task-specific self-efficacy)と、一般化した日常場面における行動に影響する自己効力感(generalized self-efficacy)の2つの水準があり、自己の達成体験や、他者の達成体験を観察する代理体験などにより高めることが可能と言われている。我々はBasic Life Support(BLS)講習会インストラクター27名の一般性自己効力感尺度(generalized self-efficacy scale:GSES)について測定を行い、性別、職種、職業従事年数、BLS講習会インストラクション回数との関連を検討した。インストラクターのGSES得点が9.2±3.3点であるのに対して、対照としてGSES得点を検討したBLS講習会スタッフ、受講者はそれぞれ7.4±3.9点、5.4±3.5点であり、インストラクターは受講者に比し有意に高値であった(p<0.01)。インストラクターのGSES得点と、性別、職種、職業従事年数の間に有意な関係は認めなかったが、インストラクション回数で3群に分けた場合、10回未満では5.6±2.7点、10回以上50回未満10.4±3.0点、50回以上10.0±2.3点となり、10回未満の群と他の2群間で有意差を認めた(p=0.02、p=0.04)。以上よりBLSインストラクターとしての活動を通じ、一般性自己効力感が高められる可能性が示唆された。(著者抄録)

リンク情報
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/40020348438
ID情報
  • ISSN : 2187-9281
  • 医中誌Web ID : 2015113664
  • CiNii Articles ID : 40020348438
  • identifiers.cinii_nr_id : 9000003909117

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