共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

IgH遺伝子再構成とRAS変異を標的とした多発性骨髄腫の低侵襲診断

日本学術振興会  科学研究費助成事業  若手研究

課題番号
21K16238
体系的課題番号
JP21K16238
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

本学の倫理委員会の承認を得た後、多発性骨髄腫(MM)およびMGUS患者を対象に骨髄検体由来のDNAと血漿由来のcfDNAを用いて次世代シークエンサー(NGS)を用いて遺伝子変異解析を行い、RAS遺伝子(KRAS、NRAS、BRAF)の有無を検索した。2021年度中に当院で延べ27例解析を行い、骨髄検体由来のDNAでの解析でKRAS変異陽性例が4例、NRAS変異陽性例が4例、BRAF変異陽性例が1例確認された。
RAS変異陽性例を中心に血漿cfDNAを用いたdigital PCR解析によってRAS遺伝子のmutation frequency(MAF)について経過を追い、現在、MMやMGUSの病勢とMAFとの相関の有無があるか検討中である。
その中で、再発・難治性MMでKRAS遺伝子変異陽性例で、治療経過や病勢とKRAS MAFとの相関がみられていた。さらに、現在MMの微笑残存病変(MRD)として有用とされている骨髄検体を用いたマルチフローサイトメトリーによる解析でMRD negativeだったのにも関わらず、同時期にKRAS MAFが上昇傾向となり、その後早期にMMの再燃を認めた症例を経験した。本症例は骨髄中に腫瘍細胞は見られなかったが、再燃時は骨病変が多発しており、骨病変由来のcfDNAを用いた解析によるKRAS MAFの評価が病勢を反映する可能性が考えられた。本症例については、2022年度に開催される第84回日本血液学会学術集会にて発表予定である。
ほかの症例についても病勢とMAFとの相関性がみられている症例もあり、それらについても今後詳細な検討を予定している。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K16238
ID情報
  • 課題番号 : 21K16238
  • 体系的課題番号 : JP21K16238

この研究課題の成果一覧

講演・口頭発表等

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