MISC

2016年12月

腹腔鏡下付属器手術後に境界悪性あるいは悪性卵巣腫瘍と診断された9例の検討

新潟産科婦人科学会会誌
  • 茅原 誠
  • ,
  • 関根 正幸
  • ,
  • 石黒 竜也
  • ,
  • 森 裕太郎
  • ,
  • 吉田 邦彦
  • ,
  • 安達 聡介
  • ,
  • 磯部 真倫
  • ,
  • 西野 幸治
  • ,
  • 西川 伸道
  • ,
  • 榎本 隆之

111
2
開始ページ
89
終了ページ
93
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
新潟産科婦人科学会

良性付属器腫瘍の診断で腹腔鏡下手術を施行した症例のうち、術後永久組織診断で境界悪性(LPM)あるいは悪性の卵巣腫瘍と診断された9例(LPM:8例、悪性:1例)について検討した。その結果、腫瘍径は全例が6cm以上であった。術前のMRI所見では多房性が6例(66.7%)を占めており、充実性病変・壁肥厚・小嚢胞の集簇を疑う所見をいずれも認めなかったものは2例のみであった。だが、うち1例は腫瘍径が370mmと最大であった。CA125の上昇は3例で認められ、うち1例でRMIが200以上である最終的な診断が明細胞癌であった。迅速組織診断は8例に施行されたが、永久組織診断との一致率は25.0%と低く、特に永久組織診断で粘液性LPS腫瘍であった7例に限ると正診率は14.3%とさらに低くなった。8例が術中破綻をきたしたが、現在のところ全例で再発を認めていない。今回の検討から、LPMの診断は腫瘍径、MRI所見に加え、RMI項目を総合的に判断しないと困難であることが示唆された。

ID情報
  • ISSN : 2186-6244
  • 医中誌Web ID : 2017134128

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