共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年4月 - 2021年3月

エビデンスベース・ポリシーに向けたビッグデータによる高解像消費データの構築と活用

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
16H02015
体系的課題番号
JP16H02015
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
49,140,000円
(直接経費)
37,800,000円
(間接経費)
11,340,000円

1.企業が製品安全にかかわる事故や事件を起こした後,当該企業の製品が再普及する過程で,消費者の社会的学習が果たす役割を検証する実証モデルを作成するとともに,日本で2013年末に発覚したアクリフーズの冷凍食品農薬混入事件を取り上げ,モデルの推計を行った.その結果,購入再開時期が早い消費者ほど,小売の場で対象企業の製品に接する頻度が高く,健康被害が起こる確率の低さを早期に学習する一方,価格を重視する度合いは小さいことを明らかにするなどの成果を得た.これらの成果については,2019年度に経済産業研究所の研究会にて数回にわたり詳細な報告を行ったほか,2020年度には同研究所ディスカッション・ペーパー等の媒体で公表予定である.
2.マクロ経済政策の不確実性が消費行動に及ぼす影響について分析するため,経済産業研究所の協力の下,日本の政策不確実性指数を日次・週次等の高頻度で算出するとともに,当該指数と消費支出の変動の関係についてVAR分析を行うための基礎を作り,いくつかの予備的な分析結果を得た.
3.大標本ビッグデータの解析を補完するために,社会関係資本とバイオマーカーやゲノムなどを含む高次元ビッグデータの構築を行い,分析を開始した.人間の社会性の源泉を明らかにするために,特定のゲノム(スニプス)に絞り,ゲノムの変異と社会関係資本の形成の関係を分析した.さらに,一連の研究の基礎となる市場の質という観点からのデータ解析手法の基礎を提唱した.
4.ブレキシットやアメリカ大統領選では,情報操作によるビッグデータの悪用や情報の操作に関する問題が深刻化している.基礎的研究成果をまとめ,国際研究集会などで報告するとともに,情報操作の影響をゲーム理論の視点から分析した.
5.上記の研究の基礎として,イノベーションの過程や人々の意識と経済活動などの理論的分析を継続し,市場の質の決定要因を明らかにした.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-16H02015
ID情報
  • 課題番号 : 16H02015
  • 体系的課題番号 : JP16H02015

この研究課題の成果一覧

論文

  2

書籍等出版物

  1
  • 太田塁, 伊藤新, 佐藤正弘, 矢野誠 (担当:共著, 範囲:p. 38-39)
    独立行政法人経済産業研究所 2022年10月

講演・口頭発表等

  8