論文

2013年

小児専門病院CT実態調査(放射線防護分科会パネルディスカション「線量管理はできるのか?できないのか?」,第36回放射線防護分科会)

放射線防護分科会会誌
  • 仲田 佳広
  • 横山 孝徳
  • 赤羽 恵一
  • 島田 義也
  • 伊達 裕昭
  • 星岡 明
  • 藤原 身和子
  • 八上 全弘
  • 青天目 州晶
  • 小原 哲
  • 盧 暁光
  • 藤井 啓輔
  • 山本 裕子
  • 白山 明
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36
0
開始ページ
54
終了ページ
55
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.18973/protectionjsrt.36.0_54
出版者・発行元
公益社団法人 日本放射線技術学会

【目的】小児(15 歳未満) 専門病院CT 検査における特定期間内のデータから患者数や撮影頻度,疾病や撮影線量の実態を把握し,今後の放射線防護の最適化に役立てることを目的とする. 【方法】2008 年10 月〜2011 年7 月31 日までに施行された小児(15 歳未満)のCT 検査全数. ・4,801 件 (男児: 2,767 件,女児: 2,034 件) ・2,546 人 (男児: 1,443 人,女児: 1,103 人) CT : Light Speed VCT 64 夕rl (GE 社製) 解析ソフト: Image J, YAKAMI DICOM Tools 〈撮影条件〉 ・すべての撮影部位でAEC (Auto mA ) を用いている. ・胸部, 腹部のφ 32cmCTDI ファントムによる CTDIvol についてはφ 16cm へ換算するために2 倍にした. 〈研究倫理〉 ・本研究については,千葉県こども病院研究倫理審査委員会にて承認を得た研究である. 【結果・考察】 1) 年齢別CT 撮影件数は3 歳未満の小児がおよそ半数を占めていることが明らかになった. 2) 4 年間の撮影回数割合では1,2 回撮影の小児でおよそ8 割以上を占め,その平均がL9 回であった.長期入院,通院を必要とする疾患ほど撮影回数が多くなる傾向であると推測される. 3) 撮影部位の割合は頭部が一番多く,次いで心臓,聴器が多いのが特徴的である. これは侵襲的な心臓カテーテル検査を行わなくとも超音波検査と造影CT 検査である程度把握できるようになったためである. 4) CTDIvol についてすべてAEC を使用した撮影であった.その線量はICRP87 の診断参考レベル(Dose - Reference Leve1 :DRL ) より低い線量であり,特に胸部,腹部はDRL より1/2程度低い線量であった.DLP (Dose Lengh Product) の結果から低年齢ほど体動の問題からスキャン範囲を広めにとったためICRP のDRL と同程度であった.10 歳以降の胸腹部では体動の心配がないことからビームピッチを小さくしているためDLP も上昇している. 5) 今後[1本の小児CT のDRL 設定に向け,複数の医療施設の協力を得てCT 機種の違いによる実態調査やファントム臓器線量の測定を進めていく予定である.

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.18973/protectionjsrt.36.0_54
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/110009611576
URL
http://ci.nii.ac.jp/els/110009611576.pdf?id=ART0010075725&type=pdf&lang=en&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1433311101&cp=
ID情報
  • DOI : 10.18973/protectionjsrt.36.0_54
  • ISSN : 1345-3246
  • CiNii Articles ID : 110009611576

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