2020年4月 - 2023年3月
異質の解からなるパレート近似フロント形成のための生得分離型多目的進化計算
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本研究の目標は,複数の実数連続関数からなる多目的連続最適化を対象として,異質の解からなるパレート近似フロントを形成するにあたり,設計変数空間での多様性向上に重点をおいた多目的遺伝的アルゴリズム(多目的GA)の手法を開発することである.
2021年度は,昨年度に続き,多目的GAが大域/局所パレート最適解を導出する過程の分析のため,さらに設計変数の数を増やした規模の大きなNKモデルに基づくビットのベンチマーク問題を複数作成するとともに,それらの大域的パレート最適解を列挙法により求めた.その例題を用いて,母集団の収束を目的とした内挿的な交叉と,集団の分布を広げる役割をもつ外挿的な交叉の適用のバランスを検証した.その結果,一般に単一目的の最適化問題においては,内挿的な交叉が主探索オペレータで,外挿的な交叉は補助的な役割であるのに対して,パレート最適解が大きな広がりを持つ多目的最適化問題においては,外挿的な交叉が探索性能の向上に大きく寄与することがわかった.また,単一目的の連続最適化において強力な探索性能を有する実数値交叉adaptive real-coded ensemble crossover (AREX),および多親を用いたunimodal normal distribution crossover (UNDX-m) を多目的連続最適化に拡張し,代表的な多目的GAの手法であるNSGA-II (Non-dominated Sorting Genetic Algorithm II) の探索の枠組みのもとで,ベンチマーク問題ZDT,WFGの例題で探索性能の比較検討を行った.
2021年度は,昨年度に続き,多目的GAが大域/局所パレート最適解を導出する過程の分析のため,さらに設計変数の数を増やした規模の大きなNKモデルに基づくビットのベンチマーク問題を複数作成するとともに,それらの大域的パレート最適解を列挙法により求めた.その例題を用いて,母集団の収束を目的とした内挿的な交叉と,集団の分布を広げる役割をもつ外挿的な交叉の適用のバランスを検証した.その結果,一般に単一目的の最適化問題においては,内挿的な交叉が主探索オペレータで,外挿的な交叉は補助的な役割であるのに対して,パレート最適解が大きな広がりを持つ多目的最適化問題においては,外挿的な交叉が探索性能の向上に大きく寄与することがわかった.また,単一目的の連続最適化において強力な探索性能を有する実数値交叉adaptive real-coded ensemble crossover (AREX),および多親を用いたunimodal normal distribution crossover (UNDX-m) を多目的連続最適化に拡張し,代表的な多目的GAの手法であるNSGA-II (Non-dominated Sorting Genetic Algorithm II) の探索の枠組みのもとで,ベンチマーク問題ZDT,WFGの例題で探索性能の比較検討を行った.
- ID情報
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- 課題番号 : 20K11982
- 体系的課題番号 : JP20K11982