共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

新規インドール化合物MA-5による難治不妊の克服を目指した研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K09819
体系的課題番号
JP19K09819
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

今年度はヒト精子における検討を開始した。ヒト顕微授精の際に得られた廃棄卵透明帯を用いたHemizona assayによる精子接着能の検討、また透明帯除去ハムスター卵子への侵入を検討するハムスターテストをそれぞれ施行した。実験区としてMA-5濃度を(i)10μM群, (ii)100nM群, (iii)1nM群とし, 対象区は無添加群とした。Hemizona assayではヒト未受精卵子由来の透明帯を半割して使用し、一方を各濃度のMA-5で処理を行い、他方を対象区とした。媒精後17時間における透明帯付着精子数を計数するとともに、Hemizona index(MA-5処理後の付着精子数/対象区における付着精子数)x 100を算出した。その結果、Hemizona indexは(i)36.4 (8/22),(ii)308.7 (71/23), (iii)0 (0/22)であり、100nM MA-5処理によりヒト精子の透明帯付着能が増加する傾向がみられた。一方ハムスターテストでは差を認めず、MA-5は精子の接着能に影響を及ぼすが、融合には関与しない可能性が示唆された。なお、新型コロナの影響によるART治療周期の停止影響などから十分な検体を得る機会が少なく、ATP測定は行えなかった。
マウス胚においては昨年度確立したIVMによる検討を行った。通常IVM、ミトコンドリア脱共益剤のFCCP添加、FCCPとMA-5を添加した群で成熟率を比較したところ、FCCP群と無添加分に有意差を認めた。MA-5により若干の成熟率改善を認めたものの、FCCP群とFCCP+MA-5群には有意差を認めなかった。次にPolscopeによる紡錘体のBirefringenceを測定したところ、予想に反してFCCP群、FCCP+MA-5群ともに無添加群に比較して優位に高い結果であったが、紡錘体の大きさに差は認めなかった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K09819
ID情報
  • 課題番号 : 19K09819
  • 体系的課題番号 : JP19K09819