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2018年10月

小児慢性腎臓病患者における移行医療についての提言」と「思春期・青年期の患者のための CKD 診療ガイド」の認知度,理解度,活用度に関するアンケート調査の報告

日本腎臓学会誌
  • 服部元史
  • 三浦健一郎
  • 佐古まゆみ
  • 芦田 明
  • 石倉 健司
  • 井上 勉
  • 後藤 芳充
  • 小松 康宏
  • 重松 隆
  • 杉山 斉
  • 寺野千香子
  • 中西 浩一
  • 西尾 妙織
  • 幡谷 浩史
  • 藤元 昭一
  • 向山 政志
  • 吉矢 邦彦
  • 本田 雅敬
  • 岩野 正之
  • 全て表示

60
7
開始ページ
972
終了ページ
977
記述言語
日本語
掲載種別
その他
出版者・発行元
東京医学社

目的:移行医療の更なる啓発・普及を目的として、「小児慢性腎臓病患者における移行医療についての提言」と「思春期・青年期の患者のためのCKD診療ガイド」の認知度、理解度、および活用度をアンケート調査により評価した。方法:2017年10〜12月に、日本腎臓学会評議員612名と日本小児腎臓病学会代議員153名を対象に、両学会のメーリングリストを利用して無記名アンケート調査を実施した。結果:日本腎臓学会評議員612名中97名(15.9%)、日本小児腎臓病学会代議員153名中101名(66.0%)より回答を得た。「小児慢性腎臓病患者における移行医療についての提言」および「思春期・青年期の患者のためのCKD診療ガイド」の認知度は比較的高いが、「思春期・青年期の患者のためのCKD診療ガイド」の活用度は低い現状が明らかとなった。日本腎臓学会評議員側、日本小児腎臓病学会代議員側ともに、移行プログラムを実施するチームが備わっている医療機関がほとんどなかった。一方で、思春期・青年期のCKD患者に対する自律支援を中心に、思春期・青年期のCKD患者に対する移行医療への取り組みは、少しずつではあるが実践されていることがうかがえた。総括:「小児慢性腎臓病患者における移行医療についての提言」および「思春期・青年期の患者のためのCKD診療ガイド」の認知度は良好であるが、「思春期・青年期の患者のためのCKD診療ガイド」は、臨床の現場で十分に活用されていない。移行医療を実践するための人材確保と体制整備が困難な現状では、「思春期・青年期の患者のためのCKD診療ガイド」の認知度、理解度および活用度を向上させるとともに、小児期発症慢性腎疾患に対する実践的な移行医療支援ガイドや移行医療支援ツールを整備することが、移行医療を前進させる方策と考える。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0385-2385
  • eISSN : 1884-0728
  • 医中誌Web ID : 2019064427

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