共同研究・競争的資金等の研究課題

2011年 - 2012年

マウスにおける成熟期前からの進行性のDNAメチル化変化の原因の解析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
  • 高杉 征樹

課題番号
11J02966
配分額
(総額)
1,300,000円
(直接経費)
1,300,000円

申請時点で私が見いだしていた、DNAメチル化状態の加齢変化が成熟期前から既に始まっており、老齢に至るまで進行的な変化が起こっていくという事について、特にマウスの肝臓において、そのメカニズムと、それがどのような意義をもつのかという事に関し、本研究計画を通じて以下の事柄を明らかにする事ができた。
マウスの肝臓における進行性メチル化変化は大部分が低メチル化変化であった。その進行性の変化と同調して起こるDNAメチル化制御機構の変化を調べた所、DNAのメチル化を担う酵素DNMT3AおよびDNMT3Bの発現が低下している事が明らかになり、それによるDNAメチル化状態の維持の能力の低下が、進行的な低メチル化に寄与している事が分かった。
さらに、マウス肝臓における低メチル化の一部が、雌雄で異なったパターンで起こる事、及びそれが性依存的な成長ホルモンの分泌パターンの影響によるものである事が明らかにされた。これらの低メチル化は発現レベルの性差に追従して形成されていく事が示され、性差の形成ではなく固定に機能している事が示唆された。
この研究を通じ、癌などの年齢依存的疾患の原因の一つとして考えられているDNAメチル化状態の加齢変化が何故起こるのかについて理解が深まっただけでなく、比較的単純な形式により生み出される圧力による進行的な後天的ゲノム修飾変化の軌跡に、性依存的な圧力が加わる事が、性依存的なゲノム情報の使い分けにつながっている事が明らかにされた。

ID情報
  • 課題番号 : 11J02966