共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2023年3月

称賛行動の比較社会生態心理学-褒め合う社会と褒めない社会を分けるものは何か

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
19H01745
体系的課題番号
JP19H01745
配分額
(総額)
17,160,000円
(直接経費)
13,200,000円
(間接経費)
3,960,000円

検討課題①「称賛行動を促進/抑制する社会環境要因の検討」:1)関係流動性と、ポジティブ・ネガティブ評判情報に対する敏感さ、またそれらの行動的帰結との関連を、日米でのオンライン調査で検討した。その結果、予測通り、自己主張度の文化差を、関係流動性とポジティブ評判追求傾向が統計的に説明した。2)予定していたベトナム国内の比較研究は、方法上の問題により、来年度以降に持ち越した。
検討課題②「被称賛への情動反応の社会差とその原因」:1)日米人を対象に、成功時の誇り・羞恥感情経験と関係流動性の関連の追試を行った。その結果、先行研究の結果が再現された。2)日米人が、成功場面で誇りもしくは羞恥を表出している人物をどう評価するかを比較した。しかし、測定尺度の問題が示唆され、来年度に問題を修正して再検討する。3)新型コロナウイルス流行収束の先行きが見えないため、予定していた唾液による感情測定を断念し、表情による測定の準備を開始した。
検討課題③「称賛・批判システムと協力行動の関連」:1)協力行動の隠蔽の文化差を検討した。協力隠蔽傾向が、関係流動性の低さ、ポジティブ評判の低さ、およびネガティブ評判期待の高さと関連していた。2)関係流動性と協力隠蔽との因果関係を検証する実験研究を行った。実験操作がうまくいかず、来年度以降の継続課題となった。3)協力行動を質的に二分し、関係流動性との関連を検討する研究を開始した。4)寄付行動と評判期待の関連を検討する調査を行った(データ分析中)。
検討課題④:青年期における被称賛、被批判経験が、成人後の行動傾向や心理傾向に与える影響をオンライン調査で検討した。明確な結果は得られなかった。
検討課題⑤:新型コロナウイルスの世界的流行により関係流動性が低下した可能性をふまえ、追加課題として、パンデミック以前の関係流動性を想起法で捉える心理尺度を新たに開発した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19H01745
ID情報
  • 課題番号 : 19H01745
  • 体系的課題番号 : JP19H01745

この研究課題の成果一覧

講演・口頭発表等

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