2017年4月 - 2022年3月
教師の学習文化と授業デザインの変容に着目した授業研究の文化化過程の検討
文部科学省 科学研究費補助金(基盤研究(B)) 基盤研究(B)
本年度は現地(ドイツ・オランダ)に趣き、授業研究を推進する研究者、教師教育者へのヒアリングを行った。また、授業研究を実践する学校の管理職、教員リーダー、及び教員へのヒアリングと実際の授業参観を行った。特にオランダを対象とし、教師教育を含めた学校教育制度、教員の勤務態様、授業研究実施の実践的課題に焦点を当て、実地調査、ヒアリングと、事前調査の結果を対照させて検討した。
研究成果は以下の3点に要約できる。
1つはオランダでは授業研究を推進する研究者・教師教育者が中等教育を中心に担っていることから、中等教育で広く取り入れられ、実践されていることが示唆された。これは、日本やアジアでは初等教育を中心に普及し、中等教育での実施は比較的困難とされている実態を踏まえると授業研究普及の観点から新たな角度での考察をもたらすと考えられる。2つ目は、日本とオランダでは、教員の雇用、及び勤務態様の違いが見られ、授業研究を実施・運営する際に管理職の学校経営やその権限が重要な機能を持つことが明らかになった。教員の給与や勤務時間、それへの自律的な選択権等の勤務態様は日本とは大きく異なっている。日本での教員の働き方改革はその方法によっては、授業改善やその質的向上に資すると考えられる授業研究に影響を与える可能性があるため、オランダの状況下での授業研究の実施は、今後の日本での学校経営と授業研究運営との関係を考慮する際に示唆を与えるものとなると考えられる。3つ目は、授業研究を同僚間での協同的な授業改善や同僚性構築に機能させることに特化した実施が特徴的である点である。オランダでは相互に授業を参観し、学習を分析することを主たる目的とした科目・学習内容・教育方法をともに開発して授業を特設することで実施している点である。授業研究導入の趣旨を踏まえ、現地の実態に即した形で授業研究の実施手法が改修された点として指摘できる。
研究成果は以下の3点に要約できる。
1つはオランダでは授業研究を推進する研究者・教師教育者が中等教育を中心に担っていることから、中等教育で広く取り入れられ、実践されていることが示唆された。これは、日本やアジアでは初等教育を中心に普及し、中等教育での実施は比較的困難とされている実態を踏まえると授業研究普及の観点から新たな角度での考察をもたらすと考えられる。2つ目は、日本とオランダでは、教員の雇用、及び勤務態様の違いが見られ、授業研究を実施・運営する際に管理職の学校経営やその権限が重要な機能を持つことが明らかになった。教員の給与や勤務時間、それへの自律的な選択権等の勤務態様は日本とは大きく異なっている。日本での教員の働き方改革はその方法によっては、授業改善やその質的向上に資すると考えられる授業研究に影響を与える可能性があるため、オランダの状況下での授業研究の実施は、今後の日本での学校経営と授業研究運営との関係を考慮する際に示唆を与えるものとなると考えられる。3つ目は、授業研究を同僚間での協同的な授業改善や同僚性構築に機能させることに特化した実施が特徴的である点である。オランダでは相互に授業を参観し、学習を分析することを主たる目的とした科目・学習内容・教育方法をともに開発して授業を特設することで実施している点である。授業研究導入の趣旨を踏まえ、現地の実態に即した形で授業研究の実施手法が改修された点として指摘できる。
- ID情報
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- 課題番号 : 17H02662
- 体系的課題番号 : JP17H02662
この研究課題の成果一覧
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論文
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上越教育大学研究紀要 40(1) 57-66 2020年8月 筆頭著者
講演・口頭発表等
8-
東北大学情報リテラシー連続セミナー第50回 2021年3月13日 招待有り
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The Annual conference of World Association of Lesson Studies 2020年12月2日
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日本教育工学会SIG-02教師教育・実践研究 研究会 2020年11月25日 招待有り
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福岡教育大学 研究交流イベント 2020年2月19日 招待有り
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新潟市中学校教育研究会評議会 2020年2月13日 招待有り
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日本教育方法学会第 55 回大会 2019年9月29日 招待有り
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日本教育心理学会第61 回総会 2019年9月15日
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日本教育工学会 2019年秋季全国大会 2019年9月7日 招待有り