講演・口頭発表等

2017年

スギ精英樹の木部へのカリウム、セシウム集積におけるクローン間差

日本森林学会大会発表データベース
  • 長倉 淳子
  • ,
  • 安部 久
  • ,
  • 高野 勉
  • ,
  • 久保田 正裕
  • ,
  • 大久保 典久
  • ,
  • 飯田 啓達
  • ,
  • 高橋 正通

記述言語
日本語
会議種別

<p>スギには伐倒後心材が黒く変色する「黒心材」がみられる場合があり、一般的に黒心材でない心材(赤心材)に比べ含水率が高く、心材のカリウム(K)濃度が高い。セシウム(Cs)はKと同族の元素であることから、Csも黒心材に集積しやすい可能性がある。本研究は、黒心材は赤心材よりも相対的にCs濃度が高いという仮説を検証することを目的とした。林木育種センター関西育種場四国増殖保存園内のスギ育種素材保存園に生育する精英樹クローンのうち、他の保存園での伐倒記録から黒心と予想される3クローンと赤心と予想される4クローンから葉と材を採取し、分析に供した。7クローンのうち6クローンは心材の生材含水率が200%前後と高く、1クローンのみが86%であり明らかに赤心と判断できた。赤心材は黒心材と比べ、心材のK濃度が低く、Cs濃度は検出できないほど低濃度であった。心材中のK濃度とCs濃度の相関は低かった(R2=0.3454)。これらの結果から、黒心材は赤心材よりCs濃度が高い可能性はあると考えられるが、今後さらなるデータの蓄積が必要である。</p>

リンク情報
URL
http://ci.nii.ac.jp/naid/130007021566