2004年 - 2005年
統合失調症の病態に関与する候補遺伝子の検索・同定
文部科学省 科学研究費補助金(基盤研究(B)) 基盤研究(B)
統合失調症のグルタミン酸低下仮説に基づき,VGLUT1/2に機能低下をきたす多型が存在することを作業仮説として,患者・対照研究を実施した.その結果,VGLUT1は,ひとつのLDブロックから構成され,そのハプロタイプ頻度は,健常対照群と統合失調症群で異なる傾向を示した'(P=0.06).また,同一LDブロック内のIVS2+87A>Gが妄想型(男性群)とのみ有意な関連を認めた(P=0.01).一方,VGLUT2は,二つのLDブロックから構成され,各々のハプロタイプ頻度は,健常対照群と統合失調症群で有意な違いはなく,遺伝子頻度の低いIVS2-49G>A(minor allelic frequency, control, 0.01;schizophrenia, 0.05)でのみ女性群と有意な関連が認められた(P=0.02).また,VGLUT2多型とも多重比較を考慮した補正を行った場合には,統合失調症に関する有意はいずれも消失した.以上の結果から,VGLUT1/2多型が,統合失調症の発症脆弱性に大きく影響する可能性は低いと考えられるが,性差・亜型の違いがを考慮する必要性が示唆された.GFAPに機能低下をきたすような遺伝子多型が存在し,ニューロン・グリア回路網の形成に障害をもたらすことで,統合失調症の病態を形成する可能性があるのではないかと考え,患者・対照研究を実施した.その結果,GFA...
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- 課題番号 : 16390330
- 体系的課題番号 : JP16390330