共同研究・競争的資金等の研究課題

2004年 - 2005年

中高年期うつ病の病態生理の解明-海馬歯状回神経新生現象と老年性変化の関連

文部科学省  科学研究費補助金(基盤研究(B))  基盤研究(B)

課題番号
16390329
体系的課題番号
JP16390329
資金種別
競争的資金

老年性変化、特に神経原線維変化と老年期うつ病の関連を調べる目的で、変異(R406W)ヒト型タウを前脳神経細胞の軸索内に発現(内在性の約20%量)しているトランスジェニックマウス(TGマウス)を製作し解析した。この変異タウはヒトにおいてアルツハイマー病様の家族性前頭側頭型痴呆を生じ、加えて発症前に抑うつ症状を頻繁に出現させることが報告されている。一部のTGマウスは、19ヶ月齢以降になると海馬を中心に神経原線維様変化を示すようになる(Tatebayashi et al., 2002, PNAS, 99:13896)。3-21ヶ月齢のTGマウスを用いて、うつ関連行動を検討したところ、強制水泳で無動時間の有意な延長を認めた(Tatebayashi et al., 2004, Neurobiol Ag, 25:S249;Egashira et al., 2005, Brain Res, 1059:7)。この異常は、情動記憶異常(Fear conditioning)の出現と相関しており、出現時期に雌雄差が認められた。また異常の程度と導入遺伝子量に正相関が認められた。電無生理学的に検討するとTGマウスでLTP発生後のピークの低下が有意に早く、前シナプスにおける伝達物質の枯渇、すなわち軸索輸送の障害が生じている可能性が示唆された。われわれはタウのGSK3betaによる生理的リン酸化が軸索輸送...

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/p/16390329
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-16390329
ID情報
  • 課題番号 : 16390329
  • 体系的課題番号 : JP16390329