2016年4月 - 2023年3月
日本人と中国人の異文化コミュニケーションに関する実験社会心理学的研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本研究の最終的な目的は、日本人と中国人による異文化コミュニケーションの心理メカニズムを実験的に検討し、両者による円滑な異文化コミュニケーションの方法を提案することである。
本年度の研究実績として、これまでに実施した日本人と中国人を対象にして行った会話実験のデータを追加分析し、次年度に学会発表できるように準備を進めたことがある。具体的には、対立的な討議場面を設定して、日本人と中国人それぞれ未知関係と友人関係を対象に実験を行った。対立的な討議は、社会的問題から関心あるテーマを各ペアで選択してもらい、実験者が無作為に「賛成」「反対」の立場を指定して、互いに相手を説得する状況であった。そのデータを追加解析した結果、集団主義文化圏とされる東アジアで暮らす日本人と中国人の両者は、対立的討議でも他者との調和を追求することが示唆された。しかし、そのアプローチは異なり、日本人は笑顔やうなずきなどの非言語行動で協調的姿勢を示す一方、言語的な対処は消極的だった。それとは対照的に、中国人は非言語的には真摯に眼差しを向けながら、硬軟織り交ぜて積極的な言語的対処をしていた。対立的討議が苦手な日本人と違い、中国人は関係葛藤を知覚しにくく、平静を保って議論を楽しめるものと推察される。この知見を2019年7月に開催されるアジア社会心理学会13回大会、同年9月に開催される日本心理学会で発表する予定である。
これまで日本人と中国人それぞれの会話実験を行ってきたが、今後は実際に日本人と中国人による異文化コミュニケーションの会話場面を設定して実験を行う予定である。そのため、まずは日本人のみを対象にした予備的検討を進めているが、日本人参加者と中国人参加者を同時に募集し、スケジュールを調整するための準備に時間を要している。
本年度の研究実績として、これまでに実施した日本人と中国人を対象にして行った会話実験のデータを追加分析し、次年度に学会発表できるように準備を進めたことがある。具体的には、対立的な討議場面を設定して、日本人と中国人それぞれ未知関係と友人関係を対象に実験を行った。対立的な討議は、社会的問題から関心あるテーマを各ペアで選択してもらい、実験者が無作為に「賛成」「反対」の立場を指定して、互いに相手を説得する状況であった。そのデータを追加解析した結果、集団主義文化圏とされる東アジアで暮らす日本人と中国人の両者は、対立的討議でも他者との調和を追求することが示唆された。しかし、そのアプローチは異なり、日本人は笑顔やうなずきなどの非言語行動で協調的姿勢を示す一方、言語的な対処は消極的だった。それとは対照的に、中国人は非言語的には真摯に眼差しを向けながら、硬軟織り交ぜて積極的な言語的対処をしていた。対立的討議が苦手な日本人と違い、中国人は関係葛藤を知覚しにくく、平静を保って議論を楽しめるものと推察される。この知見を2019年7月に開催されるアジア社会心理学会13回大会、同年9月に開催される日本心理学会で発表する予定である。
これまで日本人と中国人それぞれの会話実験を行ってきたが、今後は実際に日本人と中国人による異文化コミュニケーションの会話場面を設定して実験を行う予定である。そのため、まずは日本人のみを対象にした予備的検討を進めているが、日本人参加者と中国人参加者を同時に募集し、スケジュールを調整するための準備に時間を要している。
- ID情報
-
- 課題番号 : 16K04276
- 体系的課題番号 : JP16K04276
この研究課題の成果一覧
絞り込み
論文
2-
神戸学院大学 心理学研究 5(1) 39-52 2022年12月28日 査読有り
-
神戸学院大学 心理学研究 4(1) 33-42 2021年12月24日 査読有り
講演・口頭発表等
2-
日本心理学会第85回大会 2021年9月1日
-
日本社会心理学会第62回大会 2021年8月25日
メディア報道
1-
神戸女学院大学 WEBメディア「わからないから、おもしろい。」 2021年11月8日 インターネットメディア