共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

低線量放射線の寿命延長効果における遺伝的解析とバイオマーカーとしての応用

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K07774
体系的課題番号
JP18K07774
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

低線量放射線影響の科学的データを示すことは非常に困難であるが、放射線適応応答が唯一科学的データを示すことができる方法である。つまり低線量を被ばくしてから高線量を被ばくすると、高線量単独被ばくよりも影響が減少するという現象である。しかしながら、影響が減少したことが、DNA損傷の修復や変異等と関連があるかどうかは不明である。そこで、寿命を見ることによって、延長が見られるのであればDNA損傷の修復と判断できると考えた。
8週齢p53遺伝子正常マウス、p53へテロマウス及び40週齢p53遺伝子正常マウスに対して、当大学RI センター所有の137Cs γセルにてγ線3 Gy(0.70Gy/min)および低線量放射線装置によって全身照射する(照射群)。照射方法は、a.0 Gy (対照群)、b.0.02 Gy、c.3 Gy、d.0.02 Gy照射96時間後3 Gy照射である。p53遺伝子正常マウスにおいて、aとb照射群では有意な差は認められなかったが、cとd照射群を比較すると、d照射群で寿命延長の傾向がみられている。しかしながら、p53へテロマウスでは、放射線適応応答の現象はみられていない。このことは、放射線適応応答においては、DNA損傷の修復の可能性があると考えられ、またp53遺伝子の関与が重要であることが示唆された。40週齢p53遺伝子正常マウスは経過観察中である。
死因としては、リンパ腫によるものが多いことが認められている。
microRNA解析においては、ヒートマップにてaからd照射群で明らかに違いがみられた。今後は、どのmicroRNAがバイオマーカーとなるのかを検討していく。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K07774
ID情報
  • 課題番号 : 18K07774
  • 体系的課題番号 : JP18K07774

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