共同研究・競争的資金等の研究課題

2015年6月 - 2020年3月

宇宙マイクロ波背景放射の広天域観測で探る加速宇宙と大規模構造

日本学術振興会  科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)  新学術領域研究(研究領域提案型)

課題番号
15H05891
体系的課題番号
JP15H05891
配分額
(総額)
419,770,000円
(直接経費)
322,900,000円
(間接経費)
96,870,000円

本計画の目的は、宇宙マイクロ波背景放射(Cosmic Microwave Backgound、以下CMB と略す)を広域に渡り精密観測し、加速宇宙の本質を実験物理学の立場から探求することである。特に、現代宇宙論最大の課題であるインフレーション宇宙仮説の検証をかつてない精度でおこなうことが主たる狙いである。インフレーションの最も重要な予言は、量子ゆらぎに起因した重力波(原始重力波)の生成である。原始重力波はCMB の直線偏光パターンに渦(B モード)を刻印したと考えられている。本研究ではこれを検証し、インフレーションの背後にある究極物理法則を実験・観測により検証する新時代を拓く。また、重力レンズ効果に起因するCMB 偏光度を観測し、ニュートリノや宇宙の暗黒成分などに関するユニークな情報を得ることも重要な目的である。期間内に地上観測結果を得るとともに将来の衛星観測の準備を進める。
本年度も、前年度に引き続き、地上観測プロジェクトSimons Arrayと衛星計画LiteBIRDの日本柱で研究を遂行した。Simons Arrayに関しては、1台目の受信機をチリの観測サイトで望遠鏡に搭載し、ファーストライトを得ることができた。LiteBIRDに関しては、コンセプトデベロップメントを完了し、望遠鏡設計結果を得た。また、偏光変調器の開発が大きく進展し、実機サイズのシステムの試験を行った。さらに、系統誤差や前景放射除去のシミュレーションを世界で最も高いレベルで遂行し、LiteBIRDがフルサクセスを達成できることを示した。
さらに、計画研究間の交流も積極的に行い、測定の新しいアイディアに関する論文を発表した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PLANNED-15H05891
ID情報
  • 課題番号 : 15H05891
  • 体系的課題番号 : JP15H05891