共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

心臓手術前のHMB投与による、周術期身体機能改善ならびに予後改善効果の検証

日本学術振興会  科学研究費助成事業  若手研究

課題番号
20K19447
体系的課題番号
JP20K19447
配分額
(総額)
3,380,000円
(直接経費)
2,600,000円
(間接経費)
780,000円

日本は、超高齢社会により心臓手術対象患者も高齢化している。そのため高侵襲である 心臓手術後の身体機能低下が大きな問題となっている。そこで本研究の目的は、高齢心臓外科患者における手術前からの積極的なβhydroxy-β-methylbutyrate (HMB)経口投与による新たな栄養介入が術後身体機能低下の抑制ならびに術後合併症の減少効果について検証することである。このHMB投与による影響を明らかにすることで、術前の栄養療法の標準化を図ることができ、かつ効果的なリハビリテーションの提供、患者の健康関連QOLの改善に大きく寄与すると考えられる。
現時点で、心臓手術患者患者38名をリクルートし、介入群18名と対照群20名にランダムに割り付けを行い、研究が進行中である。骨格筋量、6分間歩行距離、身体活動量、握力、膝伸展筋力、QOL(SF-36)、採血データを評価項目とし、baseline(開始前)、手術直前、手術後2週後に評価を実施している。本研究は中間解析は行わない予定であるため、統計解析は実施していない。
また、心臓手術患者の栄養とリハビリに関する予備研究を進めている。644名(67.7 ± 13.7歳)の予備調査の結果、術前のフレイルの有症率は24.7%であった。フレイル患者は非フレイル患者と比較し、有意に栄養状態が低下しており、術後合併症が高率であり、また術後嚥下障害の発症率も有意に高率であった。さらに、嚥下障害を発症すると、術後の栄養状態も悪化し、長期的な予後も悪化することを明らかとした。これらの結果は、英文誌に採択され、掲載されている。
これらの予備調査の結果から術前のフレイル評価、ならびにフレイルへの介入、さらには周術期の嚥下障害のスクリーニングを含めた管理・リハビリテーションの必要性が示された。今後HMB経口投与による栄養介入によるフレイル、身体機能改善効果について検討を行っていく。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K19447
ID情報
  • 課題番号 : 20K19447
  • 体系的課題番号 : JP20K19447

この研究課題の成果一覧

受賞

  1

論文

  3

講演・口頭発表等

  3