1992年 - 1993年
神経細胞死とその修復の分子生物学
文部科学省 科学研究費補助金(重点領域研究) 重点領域研究
遺伝性神経疾患には、ハンチントン病、マシャド・ジョセフ病、内藤・小柳病(DRPLA)、筋緊張性ジストロフィ-、などのように常染色体性優性遺伝形式をとるもの、ウィルソン病、福山型先天性筋ジストロフィ-などのように常染色体性劣性遺伝形式をとるもの、さらにデュシャンヌ型筋ジストロフィ-、などのようにX染色体性劣性遺伝形式をとるものなどがある。これらの疾患における遺伝子異常を明らかにすることによって神経細胞死のメカニズムを解明することが、本班の研究の目標である。
このような観点から本年度いくつかの大きな研究成果を挙げることができた。(1)ハンチントン病の異常遺伝子がIT15として同定され、そこに含まれるCAGリピ-トの異常な伸長が疾患をもたらすという知見を受けて、我が国のハンチントン病約60家系についてこれを調べたところ、CAGリピ-トについては欧米の所見と同様に発病者はすべてCAGが40個以上に伸長していた。興味深いことに、この遺伝子異常と連鎖不平衡を示すごく近傍の遺伝子型が欧米のそれと異なっており、欧米のハンチントン病とは起源が異なる可能性が示唆された(金澤)。(2)内藤・小柳病(DRPLA)は本邦に多い脊髄小脳変性症の一型であり表現促進を示す優性遺伝病であるが、この異常遺伝子も第12染色体短腕に位置する遺伝子内のCAGリピ-トの伸長であることを明らかにした(近藤、金澤、辻)。(...
このような観点から本年度いくつかの大きな研究成果を挙げることができた。(1)ハンチントン病の異常遺伝子がIT15として同定され、そこに含まれるCAGリピ-トの異常な伸長が疾患をもたらすという知見を受けて、我が国のハンチントン病約60家系についてこれを調べたところ、CAGリピ-トについては欧米の所見と同様に発病者はすべてCAGが40個以上に伸長していた。興味深いことに、この遺伝子異常と連鎖不平衡を示すごく近傍の遺伝子型が欧米のそれと異なっており、欧米のハンチントン病とは起源が異なる可能性が示唆された(金澤)。(2)内藤・小柳病(DRPLA)は本邦に多い脊髄小脳変性症の一型であり表現促進を示す優性遺伝病であるが、この異常遺伝子も第12染色体短腕に位置する遺伝子内のCAGリピ-トの伸長であることを明らかにした(近藤、金澤、辻)。(...
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- 課題番号 : 04258102