2018年6月
脊髄硬膜・硬膜外動静脈瘻に対する硬膜内導出静脈焼灼術の治療経験
東北整形災害外科学会雑誌
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- 巻
- 61
- 号
- 1
- 開始ページ
- 14
- 終了ページ
- 18
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 東北整形災害外科学会
2013〜2016年迄に当科でMRI、CT、脊髄血管造影で診断を確認し、硬膜内導出静脈焼灼術が施行された脊髄硬膜動静脈瘻(dural AVF)5例と硬膜外動静脈瘻(extradural AVF)3例の治療成績を後方視的に検討した。手術時平均年齢は64.5歳で、性別は男性5例、女性3例であった。当科での手術手技として、まず観血的手術を行い、マイクロドップラーでシャント音を確認することで、AVFの遠位で、硬膜通過直後の導出静脈を同定した。次にクリップで導出静脈の血行を一時的に遮断し、シャント音の消失を確認した。約5分間待機した後に、脊髄モニタリングに変化がないことを確認し、導出静脈を十分焼灼した後に切離した。Dural AVFでは、全例で歩行機能が改善した。術前に2例が歩行不能であったが、最終的には全例が歩行可能となった。膀胱機能は1例のみ不変で、他の4例は完全に回復した。Extradural AVFについては、歩行機能は1例で改善が認められ、膀胱機能は全例で改善が認められた。画像所見として、Dural AVFでは、全例でT2髄内高信号領域とflow voidが共に消失した。Extradural AVFでは、3例中1例で術後1年7ヵ月の時点で再発が認められた。
- ID情報
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- ISSN : 1348-8694
- 医中誌Web ID : 2018372167