共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2023年3月

複合型メインメモリのための次世代型メモリ管理方式の創出

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
19K20232
体系的課題番号
JP19K20232
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

次世代のメモリシステムとして,高バンド幅積層メモリモジュールと大容量外部メモリモジュールを併用した複合型メインメモリが注目されている.一方で,複合型メインメモリでは,2つのモジュールに分けて保存されるデータをアプリケーションの実行状況に合わせてどう管理するかが性能向上や低消費電力化への課題となる.このことから,複合型メインメモリが将来主流になることを見据え,高効率なデータ管理方式を実現することを目的とし,研究を遂行してきた.
本年度は特にアーキテクチャレベルによる高性能・低消費電力なメモリ管理機構に取り組んだ.特に,複合型メインメモリのための低オーバーヘッドメモリ管理戦略に関する管理方式の具体的な手法について検討を行った.本複合型メインメモリでは広いメモリ空間を管理するためのメタデータ保持コストを抑制しつつ,実行時の性能・電力オーバーヘッドを削減する必要がある.そこで,昨年度から継続していたメタデータに対するアクセスパターンの分析を詳細化した.その結果,少なくないアプリケーションにおいて,現在のアクセスと次のアクセスのメモリ空間上での相対的な位置関係が規則的である性質を明らかにした.さらに,近い将来にアクセスされるメタデータを事前にメモリコントローラ内のメタデータキャッシュにプリフェッチする機構の設計を行った.本機構は,メモリ空間上のある位置にアクセスが発生した場合,上記の性質に基づき次のアクセスの相対的な位置を予測し,その位置に関するメタデータをメタデータキャッシュにプリフェッチする.本機構によりメモリコントローラ内でのメタデータ保持コストを削減しつつ,メモリアクセスレイテンシを削減することが可能である.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K20232
ID情報
  • 課題番号 : 19K20232
  • 体系的課題番号 : JP19K20232