メコン水利委員会（MRC）のYearbookに掲載された降水データの調査により、欠測データに観測値0が入力されたエラー（以降、欠測値エラーと定義）が多数発見された。客観的な方法（雨季の降水日数や平年値と比べた月降水量の下限値など）を用いてこのエラーを自動的に検出するシステムを構築し、1991-2000の10年間のMRCデータ303地点を調査した結果、約7割の地点で欠測値エラーが検出された。タイとカンボジアではオリジナルのデータに入力された欠測値の割合は5倍以上異なるが、本研究の手法ではどちらの国でも平均で約5%程度の欠測値エラーが新たにみつかった。ラオスでは新たに検出された欠測値エラーは1？2_%_と少なく、ベトナムではまったく発見されなかった。