Research Projects

Apr, 2018 - Mar, 2020

物理定数恒常性測定の飛躍的精度向上に向けた、原子核のレーザー励起の実現

日本学術振興会  科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)  新学術領域研究(研究領域提案型)

Grant number
18H04353
Authorship
Principal investigator
Grant amount
(Total)
10,400,000 Japanese Yen
(Direct funding)
8,000,000 Japanese Yen
(Indirect funding)
2,400,000 Japanese Yen

加速宇宙の謎に関わる可能性のある微細構造定数恒常性の測定感度を大幅に改善すると期待されるのがトリウム229原子核の極低エネルギー核異性体準位である。本年度は放射光X線核共鳴散乱法を用いたトリウム229の原子核第二励起準位への励起に成功し、これによって極低エネルギー核異性体を能動的に生成できるようになった。また測定データを詳細に解析することで、原子核第二励起準位に関わる各種パラメータ(寿命、エネルギー幅、崩壊分岐比など)を決定した。
入射X線のエネルギースキャンを実現するためには、毎秒150メガバイトに渡るデータ量を、その場解析を行いつつデッドタイムフリーで数日間取得し続けるという測定システムとデータストレージが必要であった。本研究課題で必要なストレージと解析能力を備えたシステムを構築した。
今後の真空紫外光分光に向け重要なのが真空分光器の波長較正方法の確立である。分光器による測定結果が真の波長とずれていると正確なエネルギーが特定できない。また波長較正は現場での測定時に同時に行うことが望ましいため、混み合ったビームライン中でも較正できる小型なシステムが必要であった。炭酸ガスの直流グロー放電による一酸化炭素分子の蛍光ピークを用いることで、比較的簡易なシステムでも1ナノメートルを超える精度で較正できることを確認した。蛍光ピークは150から200ナノメートルに分布しており、この付近に信号がくれば問題なく波長較正できることが確認できた。

ID information
  • Grant number : 18H04353

List of results of the research project

Misc.

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Presentations

  3

Media Coverage

  7