共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

ポンペイとオスティア:古代ローマにみる建築術の総体としての都市と技術の大衆化

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
18H03806
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
46,280,000円
(直接経費)
35,600,000円
(間接経費)
10,680,000円

概ね計画通り研究を遂行した。新規に導入したレーザースキャナーにより,これまでにない精度で遺跡を3次元化できることを確認(論文として発表)。加えて,高解像度のデジタルカメラを応用した写真測量についてICPアルゴリズムを使って,スキャンデータと写真測量から生成された点群データをマッチングさせることが可能となった。タスク別実績,0)点群データ収集の完了:ポンペイ,ヘルクラネウムでスキャニング写真測量を行った。オスティア全域の約70%を完了,順調に実測を進めている。なお,当初ドローンによる空撮を想定していたが、法規等の状況を鑑み、少なくとも年度内の実施は困難という理解に至った。1)ヴォールト施工技術の解明:ドーム構造については,ヘルクラネウムにおいて,コーベル型ではないドーム(従来の図面とは形状が違う)が郊外浴場で確認され,大きな発見となった。2)ローマ法による建築規制:オスティア・アンティカ遺跡を訪れ、道路の構造と都市配置との関係を再検討した。同時に、河川交通からの接続を考慮した倉庫街の位置関係に注目し、居住法の分析に着手した。3)ポルトゥスの新都市開発:地中海の港湾ネットワークを想定し,その中で各港湾が果たした機能や位置づけを考察。4)室内環境シミュレーション:オスティア「ミューズのインスラ」のモザイクの写真測量とスキャンデータのマッチング,および赤外線,紫外線による写真撮影を行った。5)ビッグデータ構築:初年度の調査においては,予測した以上に壁画などの劣化が確認され,ビッグデータに壁画情報もあわせて蓄積できないかを検討した。
これらの成果を3月10日(京都)と17日(東京)で国際シンポジウムを開催した。オックフォード大学ジャネット・ディレーンディレクター,マッコーリー大学レイ・ローレンス教授,他エヴァン・プラウドフッド博士が講演,2018年度の研究実績について一般公開した。

ID情報
  • 課題番号 : 18H03806