2019年3月10日
想像力と理性―カントとフッサールを突き合わせるデリダ
- 記述言語
- フランス語
- 会議種別
- 口頭発表(一般)
- 開催地
- 同志社大学
現象学に、デリダは何をもたらしたか――本発表はこの問いに対し、可能な答えの一つを提示するものである。デリダは、フッサール現象学をカント哲学と突き合せつつ吟味する。ここに、想像力と理性についての考察が姿を現すことになる。この突き合せにより、ア・プリオリな総合を、直観において与えられているものと考えることが可能になる。ここで、理性理念も直観の対象としてよいのかという問題が生まれる。デリダはしかし、カント『判断力批判』の美と崇高の分析論のうちに、認識論ではない現象学を読み取る可能性を示唆する。