2020年4月 - 2024年3月
仕事をしながらダブルケア(育児と介護)を行う女性への支援プログラムの開発・評価
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
わが国では認知症が増加傾向にあり、仕事をしながら認知症の親の介護をする人が増えている。ところが、仕事と介護の両立は難しく、介護を理由とした離職者が増加していることが社会問題化している。今後も育児と仕事を両立する女性の増加が見込まれる。しかしながら、近年の晩婚化・晩産化を反映して、育児時期と同時に介護を引き受けなければならない「ダブルケア」が発生する状況が増えてきており、女性が社会で活躍することの大きな阻害要因となりつつあり、早急の対策が求められている。
本研究は、仕事を持つ女性の未就学児の育児と認知症の親の介護のダブルケアの実態を明らかにし、仕事をしながら育児と介護を両立できる支援プログラムを開発することを目的としている。
今年度は、ダブルケア実施者へのインタビュー調査で使用する質問項目の抽出とダブルケア実施者へのインタビュー調査を実施し、ダブルケア実施者の実態を把握することであった。
ダブルケア者が抱え込まざるを得ない困難はどのようなものか、その困難に対してダブルケア者はいかなる対処戦略をとらざるを得ないのかを、ダブルケア者のインタビュー調査の結果から、エスノグラフィーを用いて記述した。その結果、就業しながらダブルケアをしているAさんは、【最優先の育児】【頑張らないで、割り切る介護】【安全・安心重視の介護】【優先せざるを得ない介護】【在宅介護を続ける理由付けをする】【一人になる時間は諦める】といった6つの行動パターンをとることで、育児と介護における困難に対し、状況に応じて重要度と緊急度により優先順位をつけて対処行動をとる「優先度をつけるダブルケア」を実践していた。これらの結果について、学会誌に投稿し掲載された。
本研究は、仕事を持つ女性の未就学児の育児と認知症の親の介護のダブルケアの実態を明らかにし、仕事をしながら育児と介護を両立できる支援プログラムを開発することを目的としている。
今年度は、ダブルケア実施者へのインタビュー調査で使用する質問項目の抽出とダブルケア実施者へのインタビュー調査を実施し、ダブルケア実施者の実態を把握することであった。
ダブルケア者が抱え込まざるを得ない困難はどのようなものか、その困難に対してダブルケア者はいかなる対処戦略をとらざるを得ないのかを、ダブルケア者のインタビュー調査の結果から、エスノグラフィーを用いて記述した。その結果、就業しながらダブルケアをしているAさんは、【最優先の育児】【頑張らないで、割り切る介護】【安全・安心重視の介護】【優先せざるを得ない介護】【在宅介護を続ける理由付けをする】【一人になる時間は諦める】といった6つの行動パターンをとることで、育児と介護における困難に対し、状況に応じて重要度と緊急度により優先順位をつけて対処行動をとる「優先度をつけるダブルケア」を実践していた。これらの結果について、学会誌に投稿し掲載された。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K02296
- 体系的課題番号 : JP20K02296
この研究課題の成果一覧
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論文
1-
日本認知症ケア学会誌 20(2) 297-305 2021年7月 査読有り筆頭著者