共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2023年3月

筋萎縮性側索硬化症の球麻痺症状と呼吸機能の評価に基づく気道ケア法の選択基準

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K10896
体系的課題番号
JP19K10896
配分額
(総額)
3,250,000円
(直接経費)
2,500,000円
(間接経費)
750,000円

筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、臨床経過の中で球麻痺と呼吸障害がほぼ全例で出現し、相互に絡み合いながら重度化するため、それぞれの客観的評価がし難く、気道ケアに関する対策がとりにくい。本研究の目的は、ALSの臨床経過における球麻痺症状と呼吸機能の関係を明らかにし、気道ケア法の選択基準を確立し、苦痛症状緩和のための看護ケアにつなげることである。初年度は以下の成果をあげた。
1.ALS患者14名に1~2か月ごとに、球麻痺症状、呼吸機能、随伴症状を脳神経内科の外来で前向きに調査し、臨床経過を確認した。2.呼吸困難感の訴えがほとんどない2例の認知症を伴うALS患者(ALS-D)のFRS-B とFVCは有意な相関を認めた。ALS-Dは呼吸困難の訴えが認知症でマスクされる可能性があり、包括的な評価が必要であった。さらに、そのうち1例において、全日非侵襲的人工呼吸(NIV)となる病歴26か月の療養行程(中山ら、2016)を明らかにした。患者は、症状不安定と安定な時期を行き来しながら進行し、呼吸障害への対応と重点的に支援課題の解決のための体制整備を行うことで安定を得られていた。3.在宅で療養している気管切人工呼吸(TIV)45例について、看護師・保健師への聞き取りによる横断調査を実施し、口腔症状や呼吸障害に関する課題を抽出した。そのうち3例について、3~6か月ごとに訪問による参加観察調査を継続している。
初年度は、これら球麻痺症状と呼吸機能の変化と、臨床症状に伴う課題を蓄積し、2年目以降整理・分析していく予定である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K10896
ID情報
  • 課題番号 : 19K10896
  • 体系的課題番号 : JP19K10896