MISC

2012年8月

術前に穿通胎盤が疑われた妊婦の帝王切開に対する麻酔管理

臨床麻酔
  • 森平 貴
  • ,
  • 清野 豊
  • ,
  • 松田 敬一郎
  • ,
  • 芳賀 美奈子
  • ,
  • 持田 崇
  • ,
  • 渡邉 逸平

36
8
開始ページ
1242
終了ページ
1244
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
真興交易(株)医書出版部

42歳妊婦。妊娠26週4日に前置胎盤を疑われ、妊娠26週5日のMRIで胎盤組織が子宮孔を塞いでおり全前置胎盤と診断された。子宮下部、左側壁で筋層の信号が不明瞭化し、尾側に同様の信号の広がりを認め、穿通胎盤を疑われた。妊娠28週2日に全前置胎盤由来の性器出血を認め、妊娠30週2日に単純子宮全摘を検討し、帝王切開を予定した。全身麻酔を選択し導入前に末梢静脈ラインと観血的動脈圧ラインを確保し中心静脈カテーテルと長い静脈留置針を右内頸静脈に留置した。チアミラール、ロクロニウムで迅速導入し気管挿管後、児娩出までセボフルラン、レミフェンタニルで、児娩出後は吸入麻酔薬による子宮筋弛緩作用を避けるためプロポフォール、レミフェンタニルで麻酔管理した。手術開始1分で児娩出し、その1分後に胎盤も娩出された。結果的には穿通胎盤ではなかった。激しい循環変動は認めず、手術を終了した。手術時間23分、麻酔時間は1時間5分で術後経過は良好で13日目に退院した。

ID情報
  • ISSN : 0387-3668
  • 医中誌Web ID : 2012363897

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