共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2024年3月

「戦争の記憶」のポピュラー・メディア文化史:シンガポールおよび香港の事例から

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
19K13316
体系的課題番号
JP19K13316
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

2021年度は、前年度に引き続きCOVID-19の世界的な流行により、国外での調査を行うことができなかった。そこで、先行研究の分析と前年に引き続きこれまでに収集した資料に基づく研究結果の公表に重点をおいた。
まず、2020年度より進めてきた1960年代の日本映画『シンガポールの夜は更けて』(松竹)について、汎アジア主義との関連を軸にした英文の論文を執筆し、イギリスの学術雑誌に投稿した、これについては、2021年8月にEuropean Association for Japanese Studies Conferenceでも報告を行い、いくつかの指摘を受けるとともに、当該論文の査読でも修正意見が出ており、修正作業を進めている。この作品については、上述の論文とは別に、作品中の女性表象について戦時期からの連続性を指摘した議論を2021年7月にInter-Asia Cultural Studies Society Conferenceで報告を行い、今後論文を作成することを計画している。
香港については、2019年に行った香港歴史博物館の展示についての分析を論文としてまとめ、野世英水・加藤斗規編『近代東アジアと日本文化』(2021年10月)所収論文として刊行した。
そのほか、これまで行ってきた日本占領下シンガポールでの「桃太郎」の利用についての研究に新たな知見を付け加え、泉水英計編『近代国家と植民地性:アジア太平洋地域の歴史的展開』(2022年3月)所収論文として刊行した。
これらに加え、歴史教育への研究成果の応用という観点から、歴史学会編『歴史総合:世界と日本』(2022年3月)に「大衆文化の展開は世界にどのようなインパクトをもたらしたか」、「グローバル化と私たち――テクノロジーと移動の進展」、「新興独立国はどのようにして国家建設と開発をなしとげていったのか」の三編を執筆した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K13316
ID情報
  • 課題番号 : 19K13316
  • 体系的課題番号 : JP19K13316

この研究課題の成果一覧

論文

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MISC

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書籍等出版物

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  • 泉水英計編
    御茶の水書房 2022年3月25日 (ISBN: 9784275021595)
  • 歴史学会 (担当:分担執筆, 範囲:第二部3「大衆文化の展開は世界にどのようなインパクトをもたらしたか」(114-127頁)、第三部「グローバル化と私たち――テクノロジーと移動の進展」(164-165頁)、第三部1「新興独立国はどのようにして国家建設と開発をなしとげていったのか」(166-179頁))
    戎光祥出版 2022年3月10日 (ISBN: 9784864034227)
  • 野世英水, 加藤斗規編 (担当:分担執筆, 範囲:香港歴史博物館「香港故事」にみられる日本占領と香港における歴史をめぐる政治文化)
    銀河書籍 2021年10月 (ISBN: 9784866452012)

講演・口頭発表等

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