論文

査読有り
1992年3月

伐採動向と木材供給予測方法に関する研究 熊本県小国町の近年の動向

鹿児島大学農学部学術報告
  • 松下幸司
  • ,
  • 枚田邦宏
  • ,
  • 藤掛一郎
  • ,
  • 小野理

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42
開始ページ
149
終了ページ
163
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
鹿児島大学

小国町において1986〜1990年の伐採届を集計した結果, 以下のことが分かった.1.1989年以降, 主伐材積が減少する一方, 間伐材積が着実に拡大している.その結果, 1988年以降, 間伐材積のほうが主伐材積より多い状態になっている.2.主伐, 間伐ともにその平均規模は概ね0.5haである.件数的には0.1〜0.2haのものが多い.この傾向は分析期間中, 大きな変化はない.3.主伐面積のピークはVII齢級, X齢級, XII齢級と複数箇所に見られた.間伐の場合はV齢級である.伐採齢の総平均は主伐, 間伐とも期間中大きな変化は見られなかった.4.間伐の範囲は, 保育目的の若齢級間伐から収入目的の高齢級間伐まで幅広く観察された.従って, 齢級別主間伐合計材積を計算すると, V齢級からXIV齢級までほぼ等量生産されている.5.資源現況に対する伐採率を計算すると, 主伐のピークはXIV齢級に見られた.しかし, 間伐の場合はIV齢級からXVI齢級にかけて台地状に分布し, ピークを見いだすことができなかった.6.減反率を計算した結果, 主伐のピークはIX齢級, 間伐のピークはVからVI齢級であった.これは現実の伐採活動と必ずしも一致していない.以上の分析の結果, 減反率法について以下の問題点を指摘することができた.1.主伐の長期化・多様化は, 必ずしも分布関数の右シフト, 分散拡大とはならない可能性がある.2.若齢林分での間伐は本方法で推計可能だが, 高齢林分での間伐は内容が多様であり評価が難しい.3.地域の実情に応じた木材供給予想方法の開発とそれに対応したデータ収集を行う必要がある.

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CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN00040603
URL
http://id.ndl.go.jp/bib/3774827
URL
http://hdl.handle.net/10232/1672
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ID情報
  • ISSN : 0453-0845
  • J-Global ID : 200902065221580580
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