2022年2月
多施設の開業鍼灸院における精神的愁訴に対する鍼灸治療:5症例報告 -Patient Health Questionnaireを用いて-
全日本鍼灸学会雑誌
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- 巻
- 72
- 号
- 1
- 開始ページ
- 91
- 終了ページ
- 100
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.3777/jjsam.72.91
【目的】精神的愁訴を有し、標準治療で十分な改善に至らず鍼灸院へ来院した症例を多施設で集積した。
【症例】症例1:59歳男性、X-3年に発症、X-1年前に精神科にて双極性障害の診断。気分安定薬、抗不安薬、睡眠薬を服用するも、気力低下や倦怠感、不安感が残存。症例2:64歳男性、X-4カ月に発症、心療内科にて自律神経失調症と診断。睡眠薬を服用するも、不眠症、動悸等が残存。症例3:31歳女性、X-3年前に心療内科にてうつ状態と診断。1年間薬物療法を行うも寛解、再発を繰り返す。X-2カ月に右胸部締付け感、気分の落ち込み等が再発。現在服薬無し。症例4:41歳女性、X-5カ月に神経内科にて片頭痛と診断。漢方薬を服用するも改善せず。X-3カ月心療内科にてうつ病と診断。抗うつ薬を服用するも、頭痛、倦怠感等が残存。症例5:20歳女性、X-6年前に自律神経失調症と診断。約2年の薬物療法で改善したがX-3カ月に症状再発。心療内科にてうつ病、適応障害と診断。非定型抗精神病薬、睡眠薬、抗うつ薬、抗不安薬を服薬するも倦怠感、気分の落ち込み等が残存。鍼治療方法:施設毎の完全個別化治療とし、鍼の臨床試験における介入の報告基準にて記録した。アウトカム評価項目:うつ症状の評価にPatient HealthQuestionnaire (PHQ)-9、身体症状の評価としてPHQ-15を初診時と5診目の治療前に評価した。
【結果】 PHQ-9は、症例1:16→9、症例2:5→1、症例3:14→14、症例4:11→4、症例5:16→6 (点)、PHQ-15は、症例1:5→4、症例2:10→2、症例3:9→6、症例4:15→7、症例5:20→11 (点)となった。
【考察】精神的愁訴を有する症例に対し、共通の評価尺度と介入の報告基準を用いることで、多施設の開業鍼灸院でも症例を集積できることが示唆された。
【症例】症例1:59歳男性、X-3年に発症、X-1年前に精神科にて双極性障害の診断。気分安定薬、抗不安薬、睡眠薬を服用するも、気力低下や倦怠感、不安感が残存。症例2:64歳男性、X-4カ月に発症、心療内科にて自律神経失調症と診断。睡眠薬を服用するも、不眠症、動悸等が残存。症例3:31歳女性、X-3年前に心療内科にてうつ状態と診断。1年間薬物療法を行うも寛解、再発を繰り返す。X-2カ月に右胸部締付け感、気分の落ち込み等が再発。現在服薬無し。症例4:41歳女性、X-5カ月に神経内科にて片頭痛と診断。漢方薬を服用するも改善せず。X-3カ月心療内科にてうつ病と診断。抗うつ薬を服用するも、頭痛、倦怠感等が残存。症例5:20歳女性、X-6年前に自律神経失調症と診断。約2年の薬物療法で改善したがX-3カ月に症状再発。心療内科にてうつ病、適応障害と診断。非定型抗精神病薬、睡眠薬、抗うつ薬、抗不安薬を服薬するも倦怠感、気分の落ち込み等が残存。鍼治療方法:施設毎の完全個別化治療とし、鍼の臨床試験における介入の報告基準にて記録した。アウトカム評価項目:うつ症状の評価にPatient HealthQuestionnaire (PHQ)-9、身体症状の評価としてPHQ-15を初診時と5診目の治療前に評価した。
【結果】 PHQ-9は、症例1:16→9、症例2:5→1、症例3:14→14、症例4:11→4、症例5:16→6 (点)、PHQ-15は、症例1:5→4、症例2:10→2、症例3:9→6、症例4:15→7、症例5:20→11 (点)となった。
【考察】精神的愁訴を有する症例に対し、共通の評価尺度と介入の報告基準を用いることで、多施設の開業鍼灸院でも症例を集積できることが示唆された。
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- ID情報
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- DOI : 10.3777/jjsam.72.91