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2015年

2014年長野県北部の地震(神城断層地震)による地表地震断層の位置と既存の活断層との関係

日本地理学会発表要旨集
  • 澤 祥
  • ,
  • 松多 信尚
  • ,
  • 渡辺 満久
  • ,
  • 鈴木 康弘
  • ,
  • 中田 高

2015
87
開始ページ
100208
終了ページ
100208
DOI
10.14866/ajg.2015s.0_100208
出版者・発行元
公益社団法人 日本地理学会

2014年11月22日の長野県北部の地震(神城断層地震,マグニチュード6.7)時に,長さ約9kmにわたって明瞭な地表地震断層が出現した.本地震はほぼ南北方向に走る活断層:神代断層(東傾斜の逆断層)が活動したものであり,東西圧縮の場を反映して東上がりの逆断層という変位形態として出現した.筆者らは,変動地形学的な手法によって神代断層の詳細活断層図(縮尺2.5万分の1,17断面での変位量計測)を作成していた(松多ほか,2006;糸静変動地形グループ,2007).筆者らは既存の詳細活断層図(松多ほか,2006;糸静変動地形グループ,2007)の改訂作業を行い,地表地震断層出現位置と既存活断層線との関係を考察した.<br> マグニチュード7弱の神城断層地震によって,1m未満とはいえ明瞭な地表地震断層が現れ最大震度6弱の強震動が生じ建物被害が発生したことは重要である.変動地形学的なより詳細な研究によって,固有地震とより小さな地震の関係を検討する必要がある.神城断層地震で出現した地表地震断層は,既存の断層変位地形の位置とよく一致する.強震動だけでなく地表変位(ずれ)による建物やライフラインの不同沈下,傾斜そして切断による被害を予測・軽減するために,詳細な変位地形の位置を周知することは重要である.今回の地震では,上盤側の変位(バックスラストや逆断層の短縮変形に伴う増傾斜や膨らみ)に伴う傾斜異常による建物被害がみられた.比高1m程度の小規模な変位地形や微細な傾斜異常を詳細活断層図に示すことは,防災上有効であると考える.

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.14866/ajg.2015s.0_100208
J-GLOBAL
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201502296367030211
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/130005489945
ID情報
  • DOI : 10.14866/ajg.2015s.0_100208
  • ISSN : 1345-8329
  • J-Global ID : 201502296367030211
  • CiNii Articles ID : 130005489945

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