共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2023年3月

医療系大学生を自己調整学習者に育成するための初年次教育プログラムの開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業  若手研究

課題番号
19K14323
体系的課題番号
JP19K14323
配分額
(総額)
3,510,000円
(直接経費)
2,700,000円
(間接経費)
810,000円

オンライン授業におけるレポート課題でよりよい文章を書くためには、他者からの修正点の指摘や内容に関するコメントのフィードバックが有効であることが示されている(杉浦ほか 2018)。そこで、2020年度は、オンライン授業におけるフィードバックコメントが課題の取り組みとリフレクション、学習の動機づけに及ぼす影響について検討した。事後課題は、全15回のうち、第2回-第10回で実施した。また毎回の授業で、気づいたこと、自己評価、今後の学習計画の3つの観点から振り返る活動を取り入れた。
課題に対するフィードバックでは、多くの学生に共通するコメントはよかった点、おしかった点、改善が必要な点についてコメントを文書にまとめ、全体に向けてMoodleに掲載した。一方、具体的な学習改善を促したいとき、全体的な傾向とは異なる修正点を伝えたい場合には、個別にフィードバックを与えた。
こうしたフィードバックが課題の取り組みやリフレクション、学習の動機づけに及ぼす影響について調査を行った結果、全体フィードバックは「課題」「リフレクション」および「興味」に有意な影響を及ぼしていた。課題について振り返り、学習の改善を図ることは学習主題の理解を深めるために重要である。また、フィードバックによりクラス全体の課題の出来栄えを知ることは、学生の興味を喚起する要因の一つになると考えられる。一方、個別フィードバックは「リフレクション」と「満足度」に有意な影響を及ぼしていた。本授業における個別フィードバックは、全体的な傾向とは異なる修正点がある学生に対してコメントを提示していた。当然のことながら、全体フィードバックに比べて改善すべき点が明確にわかり効果的な振り返りにつながる。それゆえ、教員からの個別フィードバックは、学生の満足感につながったであろう。今後はフィードバックと学習成果との関連についてさらなる検証を進めていく。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K14323
ID情報
  • 課題番号 : 19K14323
  • 体系的課題番号 : JP19K14323