2019年4月 - 2024年3月
スパースモデリングを応用した外科学知識の体系化基盤の構築
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
本研究の目的は外科医の医学知識や経験を体系化し,外科医自身の新たな洞察や知識の獲得に資する機械学習方法と情報システムの探究である.特に,日常的に得られる手術計画の事例データから客観的かつ自動的に手術プロセスを定式化するスパースモデリングの枠組みを提案し,大きく次の三つの研究目標を置いて理論構築と実証を目指している.
<BR>
本年度は下顎骨再建術を対象に,これまでに開発してきた対話型の術前計画システムを用い,患者固有の手術計画データベースの構築を行った.手術計画データについては異なる医療機関に所属する研究分担者及び歯科技工士にも協力を仰ぎ収集を行った.口腔外科において治療を行った患者29名の3次元CT画像を対象に8パターンの下顎骨切除領域を定義し,計3名の専門家による696例の手術計画データを集積した.
<BR>
得られた手術計画データベースを対象に患者個人の医用画像と臨床医学用語,手術計画データ間の関係を解析した.複数医師共通の特徴量組と医師個別の特徴量組を得て,2通りのデータ駆動型の外科手術コーパスを構築した.複数医師共通の特徴量組に基づくモデルと,各医師個別の特徴量組に基づくモデルによる推定性能を比較し,各医師個別の推定性能のほうが8%程度高くなることが確認され,各医師個別の特徴量組に基づくモデルの有効性を確認した.3名の各医師個別の特徴量組における推定性能はそれぞれ93.33%,90.56%,93.33% となっており,それぞれ 90% を超える手術計画モデルの構築に成功した.
<BR>
本年度は下顎骨再建術を対象に,これまでに開発してきた対話型の術前計画システムを用い,患者固有の手術計画データベースの構築を行った.手術計画データについては異なる医療機関に所属する研究分担者及び歯科技工士にも協力を仰ぎ収集を行った.口腔外科において治療を行った患者29名の3次元CT画像を対象に8パターンの下顎骨切除領域を定義し,計3名の専門家による696例の手術計画データを集積した.
<BR>
得られた手術計画データベースを対象に患者個人の医用画像と臨床医学用語,手術計画データ間の関係を解析した.複数医師共通の特徴量組と医師個別の特徴量組を得て,2通りのデータ駆動型の外科手術コーパスを構築した.複数医師共通の特徴量組に基づくモデルと,各医師個別の特徴量組に基づくモデルによる推定性能を比較し,各医師個別の推定性能のほうが8%程度高くなることが確認され,各医師個別の特徴量組に基づくモデルの有効性を確認した.3名の各医師個別の特徴量組における推定性能はそれぞれ93.33%,90.56%,93.33% となっており,それぞれ 90% を超える手術計画モデルの構築に成功した.
- ID情報
-
- 課題番号 : 19H04484
- 体系的課題番号 : JP19H04484