2016年4月 - 2018年3月
新規素材を用いたRAD-seq解析によるイチゴ炭疽病抵抗性遺伝子マーカーの開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B), 2017年度先進ゲノム支援(16H06279, PAGS) 若手研究(B)
イチゴ新品種「恋みのり」(旧系統名:久留米65号)が持つイチゴ炭疽病に対する新規抵抗性の特性を明らかにするとともに、今後の抵抗性品種育成に有用なDNAマーカーの開発を試みた。
まず、「恋みのり」の炭疽病抵抗性がC. siamense(以下si)に対するものであることを明らかにした。具体的には、「恋みのり」現地圃場に散見される発病株を収集し炭疽病菌を分離したところ、すべてColletotrichum gloeosporioides種複合体のうちの1種であるC. fructicola(以下fr)と同定された。また、分離株を含むfrおよびsi数株を用いた接種試験を行ったところ、「恋みのり」はsiのみに抵抗性を示し、frに罹病性であることが明らかになった。C. gloeosporioides種複合体にはfrやsiを中心とする数種が含まれるが、これまでのところイチゴにおける抵抗性の差異に関する知見は乏しかった。本研究により、イチゴ栽培種において本種複合体への抵抗性に差異があることが初めて示唆された。
次に、「恋みのり」とfr抵抗性の「Dover」のF1実生集団からfr抵抗性DNAマーカーを、「恋みのり」とsi罹病性の「さちのか」のF1実生集団からsi抵抗性DNAマーカーを、それぞれRAD-Seqにより開発することとした。28年度は両F1実生集団を作出し、前者についてRAD-Seqを行った。現在RAD-Seq結果の解析中である。29年度は後者についてもRAD-Seqを行うとともに、両結果から開発したマーカーと「恋みのり」「Dover」「さちのか」F1実生集団を用いて、抵抗性遺伝子の集積効果を検討する予定である。
まず、「恋みのり」の炭疽病抵抗性がC. siamense(以下si)に対するものであることを明らかにした。具体的には、「恋みのり」現地圃場に散見される発病株を収集し炭疽病菌を分離したところ、すべてColletotrichum gloeosporioides種複合体のうちの1種であるC. fructicola(以下fr)と同定された。また、分離株を含むfrおよびsi数株を用いた接種試験を行ったところ、「恋みのり」はsiのみに抵抗性を示し、frに罹病性であることが明らかになった。C. gloeosporioides種複合体にはfrやsiを中心とする数種が含まれるが、これまでのところイチゴにおける抵抗性の差異に関する知見は乏しかった。本研究により、イチゴ栽培種において本種複合体への抵抗性に差異があることが初めて示唆された。
次に、「恋みのり」とfr抵抗性の「Dover」のF1実生集団からfr抵抗性DNAマーカーを、「恋みのり」とsi罹病性の「さちのか」のF1実生集団からsi抵抗性DNAマーカーを、それぞれRAD-Seqにより開発することとした。28年度は両F1実生集団を作出し、前者についてRAD-Seqを行った。現在RAD-Seq結果の解析中である。29年度は後者についてもRAD-Seqを行うとともに、両結果から開発したマーカーと「恋みのり」「Dover」「さちのか」F1実生集団を用いて、抵抗性遺伝子の集積効果を検討する予定である。
- ID情報
-
- 課題番号 : 16K18638
- 体系的課題番号 : JP16K18638