2018年11月
比較的徐脈を認め細菌性腸炎類似症状を呈した猫ひっかき病
日本小児科学会雑誌
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- 巻
- 122
- 号
- 11
- 開始ページ
- 1722
- 終了ページ
- 1726
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (公社)日本小児科学会
13歳男児。発熱を主訴に近医を受診し、セフジトレン・ピボキシル、トスフロキサシンを処方されるも解熱せず、第7病日に頭痛、腹痛、下痢を認め、当院へ受診となった。細菌性腸炎の疑いで入院となり、所見では比較的徐脈を呈し、鼠径リンパ節の軽度腫脹が認められた。問診でサルモネラ腸炎患者との接触があったことから同菌血症を疑い、セフォタキシムの経静脈投与を開始したが、その後も弛緩熱は持続した。第11病日目に頭部MRI検査、心臓超音波検査が行われたが異常所見はなく、血液培養や便培養も陰性であった。但し、リンパ節腫脹と猫飼育歴から猫ひっかき病を疑い、同病日目にバルトネラ抗体を提出し、ミノサイクリンの経静脈投与に変更したところ、第15病日目には解熱し、翌日に退院となった。退院後、判明した血清バルトネラ抗体の結果から、本症例は最終的に猫ひっかき病と確定診断された。
- ID情報
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- ISSN : 0001-6543
- 医中誌Web ID : 2019094214