1996年 - 1996年
転写因子のモジュ-ル・ドメイン構成とシグナル認識
文部科学省 科学研究費補助金(重点領域研究) 重点領域研究
本研究で明らかにしたことは、(1)転写因子のモジュ-ル構成と機能相関、(2)プラスチドの転写産物IRF170がコ-ドするタンパク質がホメオドメインとの類似性をもつこと、(3)逆転写酵素はRNaseHドメインと他のドメインとの融合型であるが、ドメイン融合が起きるために必要だったと推定されるアミノ酸置換の位置と数、の3点である。各項の内容は以下の通りである。(1)蛋白質のDNAへの結合は、まずリン酸基に結合し、それから塩基特異的な結合部位を探すと考えられている。塩基特異的な結合には、共通のモジュ-ルが用いられている例が多々ある。リン酸基との結合もまた、モジュ-ルによって担われているか?そうであるなら、リン酸基結合モジュ-ルには共通の立体構造が存在するか?DNAとの複合体として立体構造が判明している転写因子群を対象して研究を行った結果、転写因子は塩基を特異的に認識する塩基認識モジュ-ルと、リン酸基を非特異的に結合するリン酸基結合モジュ-ルとの組み合わせとして構築されていることが、明らかになった。また、原核生物由来の2種類の転写因子と真核生物由来のDNAポリメラ-ゼとの間に、立体構造がよく似ていてリン酸基との相互作用の様式が同じリン酸基結合モジュ-ルが見つかった。この結果はモジュ-ルのかき混ぜの痕跡であろう。(2)はIRF170がプラスチドの分化を制御していることを示唆した。また、I...
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- 課題番号 : 08260208