共同研究・競争的資金等の研究課題

1996年 - 1999年

生体金属による小分子の活性化

文部科学省  科学研究費補助金(重点領域研究, 特定領域研究(A))  重点領域研究, 特定領域研究(A)

課題番号
08249102
担当区分
連携研究者
配分額
(総額)
164,600,000円
(直接経費)
164,600,000円
(間接経費)
0円
資金種別
競争的資金

昨年度に引き続き、森島らは、いくつかのアミノ酸置換西洋わさびペルオキシターゼ(HRP)を作製し、ペルオキシターゼ反応における近位側芳香族アミノ酸残基の役割について検討を行った。本年度は、近位側にチロシン残基を導入したHRPの2種の変異体F179Y(Phe179-〉Tyr)、F221Y(Phe221->Tyr)を作製し、プロスタグランジン合成酵素(PGHS)でみられるような反応中間体としてのチロシンラジカルが生成するかどうか検討した。その結果、Phe179位にチロシン残基を導入した変異HRPはそのESRスペクトルから、PGHSでみられるようなチロシンラジカルを生成していることが明らかになった。一方、Trpの導入でトリプトファンラジカルが生成したPhe221位では、一般に酸化され易いとされているチロシン残基を導入してもポルフィリンラジカルしか生成せず、このことは、蛋白質中のアミノ酸残基がラジカルになるかどうかは、アミノ酸固有の性質やポルフィリンからの距離だけではなく、そのアミノ酸の置かれた環境が大きく影響するものと考えられた。渡辺は、ヘム近傍のアミノ酸を置換したミオグロビンを種々のヘム酵素のモデルとして、用い、ミオグロビンにおいてもヘム周辺に適切なアミノ酸置換を行うことで、ペルオキシターゼやチトクロムP450と同様な反応中間体や触媒活性が実現できることを明らかにした。長谷は...

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/p/08249102
ID情報
  • 課題番号 : 08249102