ICP-MS/MSを用いた$^{151}$Smの合理的な分析技術開発
日本放射化学会第63回討論会(2019)
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- 開催年月日
- 2019年9月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- いわき
- 国・地域
- 日本
サマリウム-151 ($^{151}$Sm)は、半減期が約90年の$\beta$線放出核種($\beta$核種)で従来は$\beta$線測定により分析されている。種々の線源が混在する試料の$\beta$線測定では、他の$\beta$核種の分離操作が必要であるが、その分離操作が煩雑であり長時間かかることが課題である。そこで、二つの四重極とその間にコリジョン・リアクションセル(CRC)を装備したタンデム型誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS/MS)による、合理的な$^{151}$Sm分析技術を開発している。質量分析では同重体(ユウロピウム-151 ($^{151}$Eu))などの分離を要するが、分離対象が少なく短時間測定が可能である。さらに、CRCへ導入する反応ガスに対する測定核種および同重体の反応性の違いを利用した同重体分離測定が可能である。種々の反応ガスとのSmおよびEuの反応性を確認し、$^{151}$Euからの$^{151}$Sm分離測定条件について検討した。その結果、NH$_{3}$ガスを用いた際に、m/Zが16増えた分子イオンの生成挙動にSmとEuで差が確認できた。この反応性の差により、$^{151}$Euからの$^{151}$Sm分離測定条件について見出すことができた。