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Apr, 2017 - Present

ポスト民主化移行期における「想起の文化」──南米における「記憶」の変容

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

Authorship
Principal investigator
Grant type
Competitive

本研究は、1980年代の民主化移行期からポスト移行期に入りつつあるアルゼンチンやチリにおいて、軍政時代に ついての「文化的記憶」がどのような「想起の政治」のダイナミズムのなかで生成し、いかなる共同想起の実践 として近年出現しつつあり、どのような論争の位相にあるのかを、アスマンの記憶論をはじめとする近年の記憶 研究の成果を用いて解明する。ローカルな集合的記憶形成と共同想起の営みを個別具体的事例において明らかに すると同時に、グローバルな記憶言説とどのように切り結び、言説の領有や交渉過程で何が生みだされ何が隠蔽 されるかを明らかにする。また共同想起の営みにおいて、自己同一性に帰着するアイデンティティ・ポリティク スを批判的に照らし出す「想起の文化」のあり方を考察する。