共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2024年3月

身体編集を用いた身体性感覚獲得過程の解明とモデル化

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(B)

課題番号
20H04489
体系的課題番号
JP20H04489
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
17,940,000円
(直接経費)
13,800,000円
(間接経費)
4,140,000円

バーチャルリアリティやロボティックスが一般的となってきた現代、私たちの身体はいかようにも変えることが可能である。そこでそれを身体編集と名付け、新しい身体の獲得過程を心理物理実験によって明らかにすることを目的に研究を行っている。
身体獲得過程の検討のために利用可能性を検討している「クロスモーダル一致効果」について、身体性成立の限界条件との関係を検討した。バーチャル空間に配置した静止した全身アバタがバーチャルな鏡に映っている条件と鏡のみでアバタがない条件を比較したところ、いずれの条件でも視覚・触覚刺激がともに左右いずれかに提示されたときにクロスモーダル一致効果が増強した。一方、アバタを提示せずにバーチャルな鏡のありなしを操作すると、鏡がないときにはクロスモーダル一致効果の身体増強効果は消失した。また、アバターを提示して、バーチャルな鏡のありなしを操作したところ、いずれの条件でも身体増強効果が見られた。このことから、クロスモーダル一致効果は、鏡のみで誘発される原始的な身体性や他者の身体性の影響も受けることが示唆された。新しい行動指標として、視覚的視点取得を検討して、身体性が生じない不可能身体では可能身体よりも成績が低下することを示した。
また、手足のみ刺激によるアバタの歩行運動を提示し、足裏に歩行時のリズミカルな振動を提示することで静止観察者に歩行感覚を誘発出来ることを示した。手足のみ刺激は全身アバタよりも効果は小さかったが、アバタを提示しない条件と比較すると有意な歩行感覚の向上を示した。不可能身体の獲得について、感染症蔓延下でも遠隔で実験ができようにバーチャルリアリティソーシャルネットワークサービスを活用した実験環境の構築を検証を行った。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H04489
ID情報
  • 課題番号 : 20H04489
  • 体系的課題番号 : JP20H04489